Hisakazu Hirabayashi * Official Blogお金

その話はもしかして‥‥不正請求サイトの打ち合わせ?

  • Day:2010.01.13 00:06
  • Cat:お金
東京は寒かった。
昨日の昼、打ち合わせの合間に時間ができたので、私は某ホテルのカフェにて、原稿の下書きなんぞを書こうとしていた。この原稿が、また気取っていて、正義感とか職業意識とか、なんだか正論めいたことを書くために、ペンを走らせていた。

隣の席に、二人の男がやってきた。
二人とも、まるでそろえたかのように、高級そうな皮のコートを着て、編み目のついたビジネスバッグを持ち、有名ブランドの時計を身につけている。ひとりの男のスーツは、人に威圧感を与える感じがするピンストライプだった。

簡単に言ってしまうと、二人は『龍が如く』の登場人物のような、イデタチなのである。

ところが、ノートに目を落としていると、私の耳に届くのはIT技術者の会話そのものだった。
ただし、二人は小声で話をしているので、完全に聞き取れるわけではない。

「サーバーはどっちが用意するの……」
「携帯はいいけど、auはマズイ……」
「htmlでいいの?」
「ライブチャットも入れておけば……」

すいぶんと服装が派手なIT技術者の会話だなぁ、何だろう、この人たち?
何か怪しい、と思っていたら、ついに来た。
2チャンネル風に記述すれば
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
であった。

ひとりの男が言った。
「ツークリ? スリークリ? フォークリ?」
クリックを何回かさせて不正請求サイトに誘導させる話をしているのだ、と勘づいた。
さらによく聞いてみると。

「出会いだったら、カマセの方が……」
「え、それで月500万?」
「あそこのサイトはすぐ捕まったけど」
「一旦、未収金にしておいて後から回収すれば……」

会話は、ますます怪しい。
と、同時にインターネットとシステム設計とプログラムの専門用語がバシバシ出てくる。
『龍が如く』の登場人物がCookieやP3Pやクラウドについて語りながら、コーヒーを飲んでいるのだ。

現代の経済ヤクザが、ここまでITの知識に精通しているとは思わなかった。
そして、次々と出現する新手の不正請求サイトは、このような闇のプロデューサーたちによって生まれるのか、という現場を見た。

あくまでも想像の域を出ないが、私は見てしまったのだと思う。
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宝くじは買わない

  • Day:2009.11.28 00:00
  • Cat:お金
昨日のエントリーでギャンブルの話をした。
数日前にTwitterでモノポリー、バックギャモン、将棋、麻雀、ブラックジャック、ルーレット、オイチョカブ、バカラ、ドイツのボードゲーム「カタン」の話などをしていて、改めて自分は、いろいろな遊びに手を出してきたのだ、ということを実感した。その他の室内遊戯も公営ギャンブルも、一通りの遊びを経験してきた。スポーツに近くなるがボウリングも、ダーツも、ビリヤードもかなり遊んだ。

でも、絶対に私がやらない遊び(?)があって、それは宝くじ。

遊びというのはお金がかかる。ギャンブルをやれば負ける時がある。いや、トータルで計算すれば必ず負けるようにできている。主催者の運営費、ギャンブラーの言い方をすれば胴元のテラ銭が必ず設定されていて、その金額を差し引いた分を参加者で奪い合いをするからだ。

だが宝くじのテラ銭は、篦棒(べらぼう)に高い。宝くじの期待値を計算すると、1枚300円の場合、150円を切っている。つまり、300円のくじを1枚買った瞬間に150円以上の損をしている計算になる。

割が合わないという競馬でさえ、テラ銭は約25%。
1000円の馬券を買った時点で750円になっている計算だ。

年末ジャンボ宝くじの発売シーズンだ。
よく当たるという評判の西銀座の売り場に徹夜してまで行列する人を見ると、申し訳ないが、損をするために並んでいるように見えてしまう。

億万長者が大量出現!
……などの言葉につられるが、宝くじは確率論としては割りにあわない遊びだ。
ど派手なポスターに写る西田敏行の笑顔が、なんとも罪深く感じてしまう。

「宝くじは買わない」。
同じこと歌ったのは、故・忌野清志郎がRCサクセションのデビュー曲だった。
だが、これは私の世知辛い確率論ではなく、当たったことを前提した曲だ。
そういう意味で趣旨違いだが、いい曲なので貼りつけさせてもらった。

情報も猛威をふるう、豚インフルエンザ

  • Day:2009.04.30 10:35
  • Cat:お金
私は株式の売買を、まったくやらないわけではない。
株式は数銘柄持っているが、頻繁に売買はしない。
金額も少額である。
デイトレや信用取引もしない。

ただ、株を持っていると経済ニュースに敏感になる。
いろいろな側面から、企業・経営・投資家が見えてくる。
そうなのだ。
これが重要なのだ。
利殖目的で株を持つことではなく、株に「関心を持つ」ことが社会人として必要なのだと考え、そんなスタンスで、株とつき合ってかれこれ20年近くがたつ。

こうやって株式市場を見ていると、「嫌だな」と思うことがある。
世の中に災害や不幸なできごとが起きる。
そうすると、このできごとが株式用語でいうところの「材料」になってしまうことだ。

今で言えば、豚インフルエンザだ。

抗ウイルス不織布マスクを製造する会社。
防毒マスク大手の会社。
タミフルを販売する製薬会社。

の株が、27日にストップ高になり今日も値を上げている。

道路や建造物が破壊されるような大地震が起きると、ほぼ間違いなく、その土地の近隣の建設会社の株価は翌日に上がる。

買い手が機関投資家であれば、ぐるりと回って私自身が何らかの恩恵を受けているのかもしれない。だから、闇雲に批判すべきではないかもしれないが、個人投資家が不幸や災害をネタに株を買っているのだとしたら、その良心を疑う。

話は急に非科学的になるが、そういう株を買って、仮に儲けてもバチが当たるような気がするのだ。
それでも、インターネット上で、情報は大発生している。
こんな感じで「豚インフルエンザ 関連株」。

なぜ3月31日は年度末なのか?

  • Day:2009.03.31 00:03
  • Cat:お金
駄文が多かったけど、なんだかんだ言って、3月も毎日更新してしまいました。
このブログ。

私、本日31日、仕事上でちょっとした事件があります、というか、起こします。
平穏なシャンシャンの会議に、私にある思慮あって、「ちょっと待った!」をかける、という意味です。

本当は、そのことで、夜も眠れないくらいに頭がいっぱいなのですが、詳しくは書けません。あまりにも無難でごめんなさい。無難に年度末の話を書きます。しかも、解説はリンク先をご覧いただきます。

なぜ、3月末日が年度末で4月1日が年度はじめなのか?
いろいろ調べてみたのですが、この解説が非常にわかりやすいです。

それにしても、明治政府ってイギリス、フランス、ドイツ。
おもにこの3カ国ですが、他国の例を真似て導入しているものが多いですね。

かの、田中角栄元首相は現行の制度をやめて、12月末日を年度末とし、1月を新年度とする暦年と同じにする提案をしたそうですが、旧大蔵省に一蹴されたそうです。

私はこの、わかりやすさに賛成です。
でも、今日は明治以来の伝統の年度末です。

見かけはお買い得だが、今後の展望を考えれば恐くて買えない

  • Day:2009.03.11 00:00
  • Cat:お金
昨日の日本経済新聞朝刊に、日本の株式市場について、きわめて真っ当な分析記事が載っていました。そして同記事では、株式市場の状態を「異常さを示している」と断言しています。

今、下がりに下がった日本企業の株価、株価純資産倍率(PBR)は、0.8なのだといいます。

PBRとは、会社の資産に対して株価が割安か割高かを見る指標で、Price Book value Ratioの略。まあ、そんなことはどうでもよくて……こういう事例にしましょうか。

あなたが、明日、日本株式会社という全上場企業の株式を全株持ったとして、それで、「この会社が解散!」と決めてしまうと、0.8の投資で1の資産を必ずもらえる、という意味の低さなのです。

たとえば80兆円で買い物をすると100兆円もらえる。あるいは1万円札を8000円で売っているようなものです。


PBR が0.8のことを同紙は「理屈では考えられないほど割安」と書いています。

ところが、似たような専門用語で株価収益率とは(PER)というのがあって、これはPER=株価÷1株利益、で計算します。一株あたり、いくらの予想利益は何倍かの指数です。すると現在(3月10日付)は69倍で、約10数倍のアメリカよりも、割高になってしまいます。

この指標を用いて、同紙はこう述べます。

PBRとPBR、2つの指標から投資家の明確なメッセージが浮き上がる。
「見かけはお買い得だが、今後の展望を考えれば恐くて買えない」と。

数日前ですか、年齢は私よりも下で「さんづけ」で呼んでくれますが、立派に会社を切り盛りしている某社長と食事をしました。

その時の言葉が、頭から離れません。
「平林さん、日本はなんでもそろっているけど希望だけない国なんですかね」。

ドキッとする一言でした。

そうだね、とただ返すのも会話としておもしろくないので、「ちょっと待って、希望がないってことは、満ち足りていることの裏返しで、希望にあふれているというのは、何か足りないものが、いっぱいあるということかも……」

などと屁理屈を並べて、哲学的な対話を楽しんでました。

話は脱線しました。
私たちは、「見かけはお買い得だが、今後の展望を考えれば恐くて買えない」……と世界の投資家から思われた、ポッカリと浮いた島の上で暮らしをしています。

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株主優待