Hisakazu Hirabayashi * Official Blog2009年07月

Twitterを入れてみました

お気づきかと思うが、今週からTwitterを入れてみた。
Flash版はどうも重いらしいので、Html版で。
お時間があるときに、のぞいて見てください。

感想。
ブログの中にTwitterがあるというのは、派中派をつくったみたいだ。
今、ある仕事で1985年のことを調べているが、田中角栄率いる田中派に、竹下登を中心とする勉強会として「創世会」ができたのが、1985年だった。

『ウィ・アー・ザ・ワールド』(We Are The World)が発表されたのも、この年だ。
そうだ。
『ウィ・アー・ザ・ワールド』を聴こう。



名プロデューサーは豹変する

  • Day:2009.07.24 15:09
  • Cat:働く
確かに、プロデューサーはスケジュールの管理をする。
だが、今日、プロジェクトの構成員がどれだけ仕事をして、全体の作業量の何%をこなしたか? を計算するのがプロデューサーの仕事ではない。

プロデューサーの大切なスケジュール管理とは……あえて過激に決めつけてしまおう。
モノづくりの工程を、前半戦と後半戦の真っ二つに分けることだ。
そこに独特な感性と決断力が求められる。

いきなり何を?
と思われる方が多いと思うので、詳しく説明しよう。

モノづくりの前半とは、自由闊達がいいのだ。
「こんなアイデアはどう?」
「私、昔からネタを持っていたんですけど……」

作り手の意見を止めない。止めないどころかドンドンと引き出す。
専門用語で言うと、クリエイター・オリエンテッド(Creator oriented=作り手志向)を心がける。モノづくりの出だしで、作り手の意欲が燃えずして、どうして良いモノができよう? スタートダッシュは肝心なのだ。

作り手が自由に意見を出せない場合もある。ゲーム業界やIT業界の俗語で言うと、「やらされ仕事」というのもある。であるならば、そのチームに蔓延する「やらされ感」を排除していくのが、プロデューサーの重要な役割だ。

たとえ「やらされ仕事」であったとしても、そこに作り手の創意工夫の余地は無いのか。絶対あるはずだ。その意気込みを引き出して、率いるメンバーのマインドを鼓舞していかなくてはならない。

「ゴリラの鼻くそ!」
「お、それはおもしろいじゃないか!」

発案に対して否定意見はなく、新しい案が、また新しい案を生む。
こういうリズム、テンポを生むのが、の前半戦の鍵である。

作り手は、クリエイターというくらいで、モノを生む神様のような存在だ。
神の意志を尊重しなくていけない。
作り手=性善説を信じる者になりきるのが、プロデューサーの仕事だ。

話は急転直下、変わる。

ところが、作り手は概してわがままという側面も持つ。
顧客ニーズよりも自己表現欲求が強い。
そして、締め切りがないとサボるし、あまりに自分の作業に没頭しすぎて、周囲が見えなくなることが往々にある。

こういう気配が感じられたなら、後半戦が訪れているサインだ。
後半戦は前半戦の正反対である。

クリエイター・オリエンテッド(Creator oriented=作り手志向)をやめる。
カスタマー・オリエンテッド(Customer oriented=顧客志向)に切り替える。

アイデアをつけるのではなく、むしろ削る方向でシェイプアップしていく。
作り手=性善説は捨てる。心を鬼にして、作り手=性悪説に思考を変える。

名プロデューサーは君子でなければならず、豹変が仕事なのだ。

この重大なターニングポイントは、モノづくりの過程において必ずやってくる。
便宜上、前半戦・後半戦と書いたが、これは45分ハーフのサッカーの試合のように、全製作工程の時間を2等分するという意味ではない。

創作物の完成度、組織に流れる空気などを解読して2等分するのだ。
なので、前半戦が10か月間、後半戦が2か月間ということもありえる。

この時の流れの読解力と判断力こそが、プロデューサーがなすべき、本当の意味でのスケジュール管理だろう。

しかし、プロデューサー育成を唱える教育現場では、作業項目を並べてマニュアルのようにして教えているのが実態だ。

(この話をしていくと延々と続きそうなので中締め、とします)

まだ続く、プロデューサー論

  • Day:2009.07.24 00:01
  • Cat:働く
プロデューサーの仕事とは、リーダーと呼ばれる仕事を全人格的に務め尽くすことだ。
そして、私が考えるに、プロデューサーにとって大事な資質は、「頭・心・腹だ」などと、偉そうなことを言っている。

偉そうなことを言っているのだから、自分自身の説明をすると、私の頭は、まあまあプロデューサー向きかと思っている。プロデューサーは頭脳明晰、抜群の切れ者である必要はない。必要はないが、好奇心旺盛、勉強好きであることは重要だ。あと、雑学。いろいろな分野に首をつっこみ、いろいろな人と話をするので、雑学は役に立つ。このへんはギリギリかもしれないが、及第点に達しているのではないだろうか?

心。これまた自分で言うのもなんだが、私は人に気を使うタイプである。そして、松岡修造やアニマル浜口とは別種の情熱を、いつも持っている。昔、大好きな後輩から「平林さんの心は義憤が動かしている」と言われたことがあって、この時はとてもうれしかった。この言葉を額面通りに受け取らせていただくと、心もギリギリ及第点なのかと思う。

腹。これがまったくダメだ。度胸がない。私は高校1年生の時に、父親の会社の倒産を経験している。この事件がトラウマになっていて、腹=胆力に欠けると自己分析をしている。

別の言い方をすると「人間の器」「器量」と呼ばれるものだろうか。この器が海のように広い人物がいるが、私は到底およばない。お椀ほど小さくはないが、私の器はユニットバス程度で、腹については、はっきりと落第点だ、と自分で言いきれる。

さて、そんな中途半端なプロデューサーもどきの私だが、場数は踏んできたし、事例もよく見てきた。
知人・友人・先輩・後輩・親族にもプロデューサーは何人もいる。そんな経験をベースにして述べているプロデューサー論である。

そんな背景があって、繰り返しになるが、プロデューサーについて説明する時、作業項目を並べ立ててはいけない。必要な資質の説明から入ったほうが、良き人材育成・人材発掘ができるのではないか、という持論が生まれたのだ。

でも、プロデューサーは資質だけそこにあればいい、というはずもなく、やはり作業をしなくていけない。
では、資質と現場での作業はどう結びついていくのかは、次回のエントリーで書くことにする。

(まだつづく)

頭と、心と、腹でプロデュースする

  • Day:2009.07.23 00:30
  • Cat:働く
戦国武将、横綱、宗教家は、まあよいとして、現在のビジネスにおけるプロデューサーが、そなえているべき資質を、私はこんなイメージでとらえている。





頭が良くて、心の向きが真っ直ぐで、そして、腹が座っている。
こういう人は、理想的なプロデューサーだ。

なんで、プロデューサーの話になったかと言うと、『ゴリラの鼻くそ』が発端だった。

私がこのブログにエントリーするや、御礼のコメントをくださった。
その翌日には、いきなり携帯電話の番号をお知らせいただき、よろしければお電話くださいとのメッセージ。私もすぐに電話すると、島根から東京にいらっしゃる際に、お会いしましょうということになった。その人こそが、『ゴリラの鼻くそ』のプロデューサーだ。

……よほどすぐれた発想力がなくては、豆菓子を『ゴリラの鼻くそ』という名前にしようなどとは思いつかないだろう。

……とにかく人を笑わせるのだ、という情熱が心に満ちている。こんな私に御礼を言ってくださるお心配りがある。もしかしたら、商品を開発している最中に「こんな名前で大丈夫か?」と不安に思うスタッフがいたかもしれない。でも、そんな不安を吹き飛ばす、人の心を動かす術をご存じなのだろう。

……とはいえ、食べ物に“鼻くそ”とつけるのは大博打である。リスクがあってもリターンが大きいネーミングをして、勝負に出る。勝負に出た以上、全国各地に営業に行く覚悟がある。生半可な勇気ではできないことだ。見ず知らずの私に会おうと言ってくださるのも、腹が座っていればこその行動力だ。

私の現代ビジネスプロデューサーの理想像は、頭・心・腹の3拍子がそろっていることなのである。
なので、何度も繰り返すが『ゴリラの鼻くそ』の成功は、ラッキーでもなんでもなく、プロデューサーの力量なのだ、と思ったのだ。

(つづく)

プロデューサーは生産のリーダーである

  • Day:2009.07.22 10:14
  • Cat:働く
プロデューサーとは?
……について記述をする際に、その職業の作業項目を並べてしまったのは、18年前の私の不覚であった。

そして、今、なお続く、作業項目を列挙した説明は、プロデューサーの定義を鮮明にさせてくれないだけではなく、かえって、誤解を生むことになってはいないか。私にとって身近なコンテンツ・ビジネスの世界では、「プロデューサーの人材育成が課題」と言われて久しいが、かえって育成の妨げになっていないか。ときに、私は疑問に思うことがある。

たとえば、作業項目からプロデューサーを理解すると、当然ながら、予算と納期を管理するのが仕事、という職業価値観が生まれる。そこで、駆け出しのプロデューサーはエクセルを立ち上げて、予算書とスケジュール表を作成し、日々、その入力作業に追われていく……という景色を見ることは、けっして珍しくない。

これが、プロデューサーの仕事ではない。
進行管理をするプロダクツ・マネージャーの仕事の一部だ。

プロデューサーはProduceする人なので、生産する人だ。
この原則をおさえておかなくてはいけない。

で、生産のためにどんな仕事をするかというと、何のためにその生産を行うのかという指針を示し、人心を掌握し士気を高め、目的を妨害する者あればそれと戦い、大局も見れば、細部も見逃さない。勝機と判断すれば攻め、内部腐敗が起きればそれを排除する。プロジェクト内外の情報収集をし、判断をし、指示をし、行動する……

すなわち、およそリーダーと呼ばれる仕事を全人格的に務め尽くすことが、プロデューサーの仕事なのだ。

したがって、同じ羅列をするにしても作業項目ではなく、リーダーたる者の資質を並べてみることは、これがすべてではないし、正解なんかではないけれども、意味のあることかもしれない。

戦国武将みたいではあるが、





相撲の横綱みたいではあるが、





宗教家みたいではあるが、





このような資質を発揮することが、プロデューサーの仕事だ。
……という、作業説明とは別の問いかけが、今までおろそかであったように思う。

(つづく)

衆議院解散はプロデューサーの選び直し

  • Day:2009.07.21 17:33
  • Cat:働く
本論に入るまえに……
「政治家」というと、難しく、いかがわしく、いまや不人気職業のように思われているが、本来の、政治家の理想的な姿は、プロデューサーだと思う。
国会議員とは、国家のプロデュースを託された人の集まりではないだろうか。

今日、衆議院が解散した。
あれは、プロデューサーの選び直しなのである。

「麻生おろし」というのは、自由民主党内でのチーフ・プロデューサー交代運動だ。
その自由民主党は、「民主党に政権担当能力があるのか?」と有権者に問いかけ攻めるだろう。
「それは民主党に国家をプロデュースする能力はあるのか?」と、ほぼ同じ意味となる。

プロデューサーという仕事を、「予算管理」「工程管理」……と細かく見ないで、「国家を動かす」くらいのスケール感で見ていただくと、私がイメージする新・プロデューサー論に近くなるのかもしれない。

(つづく)

改めてプロデューサーとは?

  • Day:2009.07.21 07:59
  • Cat:働く
子どもたちの夏休みははじまり、オトナたちの3連休は終わった。
頭をビジネスモードに切り替える。

先週末の段階で、まさか、こんな話の展開になろうとは予想もしていなかったが、『ゴリラの鼻くそ』の話を続けたい。

お誉めの言葉を頂戴したので、誉めてお返しをするわけではないが、『ゴリラの鼻くそ』が、すごいと思うのは、プロデューサーがいることだ。この商品が、けっして、おふざけでつくった商品ではないことは、この一事でわかる。『ゴリラの鼻くそ』のマジメさは、モノづくりのために重要な役職……プロデューサーが、きちんと存在するところにあらわれている。

ところで、プロデューサー。
よく、耳にするがその定義は難しい。Googleで、「プロデューサーとは」を検索すると1000万件を越す検索結果が出てくる。それだけの数だけ、「プロデューサーとは」の関心が高いということなのだろう。

プロデューサーとは


プロデューサーの役割を調べると、たいていこのようなことが羅列されている。

資金調達し、
予算を管理し、
納期を管理し、
作品のクオリティーを管理し、
マーケティングプランを立案または発注し、


何を隠そう、私は今から18年前の夏、『ゲーム業界就職読本』という学生さん向けの業界解説書を著していたが、そこでもだいたい上のような解説をしている。

当時はゲーム業界にプロデューサーがいる……などという認識が世間にはなかったので、とりあえず、通り一遍の解説をして、その存在を知らしめたかったのである。

だが、時は過ぎて、私の中でのプロデューサー論も変わった。
経験も知識も多少は増えた。
時代も変わった。
そこで、改めてプロデューサーの定義の仕直しをする時期が来ていると考えるに至った。
たいへんおもしろいことに、『ゴリラの鼻くそ』との出会いをきっかけにして。

なので、今週は私が考える「プロデューサーとは」を書かせていただこうかと思う。
株主優待