iPad、利用雑記
- Day:2010.05.31 00:00
- Cat:デジタル
前回エントリーのMP3TUBEで「いい意味でオトナの高級玩具」と評してみたが、まったくそのとおりで、時間があると、ついiPadを触っている。そんな週末だった。
■
オモチャを漢字で「玩具」と書くが、明治時代には「手遊」と書く当て字もあったそうな。iPadのオモチャ感覚は「玩具」よりも「手遊」に近いかもしれない。
■
iPadの魅力のひとつに、色気がある。たとえ使い勝手に難があっても、それを吹き飛ばすほどの色気だ。これが一種の「魔法」になっていて、所有欲を大いに満たすデバイスになっている。
■
いろいろなアプリがあるが、機能として問題があるものも多い。代表例は、TwitterのクライアントであるTweetDeck。どうしたことかメッセージが時間通りに並ばない(笑)。期待していた定番ゲームソフトは、ある手順で操作すると必ずソフトがシャットダウンしてしまうという、致命的なバグが残っている。ダウンロードしたのに、がっかりするアプリも多い。
■
そんな中でも、圧倒されまくりなのがi文庫HDだ。現時点ではイチオシのアプリだ。「ただの青空文庫のビューワーでしょ?」と侮ってはいけない、PCで文字を読むのとは別種の感動を生む。
■
紙の文庫本で、PCの画面で何度読んだかわからない、中島敦の『山月記』。夕べ、i文庫HDで改めて読んだら結末で泣いてしまった。中学2年生のとき、以来の出来事だ。ありがとう、i文庫HD。
![]() | 李陵・山月記 (新潮文庫) (2003/12) 中島 敦 商品詳細を見る |
■
週末のニュース番組ではiPadが特集されていた。コメンテーターの皆さんたちは、「世界が変わる」とか、「歴史に残る」とか、かなり大ぶりのスイングで激賞している。
■
私は‥‥日和見主義者のようだが、触りまくって、感動して涙を流しているのに、どこか冷めた部分もある。ひとりの人格に賛否両論が宿っている感じ。この見解は卑怯だろうか。それが真っ当な評価ではなかろうか。激賞もしないし、批判もしない。
■
細かくいうと賛否両論は五分五分っぽいが、「賛」が7割、「否」が3割の感情を抱いている。
■
とあるコメンテーターが「iPadこそがノートパソコン。今までのパソコンは、ディスプレイとキーボードが分離していてノートではなかった」と、巧みな比喩を使っていた。
■
だが、私はiPadはiPadでノートパソコンの感じがしない。
■
iPadって使ってみると想像以上に受動的。i文庫HDで本を読んでいた時間が長いせいもあるかもしれないが、こちらから情報を発信するには、いかにも機能が足りない。
■
たとえば、このブログの更新をiPadでやろうとは思わない。ソフトウェア・キーボードはよくできている。でも、既存のキーボードと辞書システムには、かなわない。コピー、カット、ペーストも従来のマウス操作のほうが便利だ。この文末に‥‥「いや、これは慣れの問題かもしれないが‥‥」と書いておくと、リスクヘッジをしたことになる。そういうもの書きの常套手段は、あえて使わない。
■
しかし、である。簡単なメモを作成し、一瞬でメールを送るならば起動時間が早いiPadを使ったほうが便利。
■
もう一点、これが無料? と目を疑うほどのすぐれたアプリがある。『Puppet Pals』という。出演者を選び、舞台を動きを決め、録画ボタンを押して即興で人形劇をつくるソフトだ。私は、このアプリがi文庫HDに続いて気に入っている。
スポンサーサイト