Hisakazu Hirabayashi * Official Blog2010年06月

民主党代表選挙を終えて

注意深く扱わなくてはいけないのは因果関係である。
相関関係や先後関係との混同を避けなくてはいけない。



「政権交代が起きると、日本の政治は変わる」
「政治が変わると、国民の暮らしがよくなる」

と昨夏、民主党は訴えた。
しかし、この因果関係の証明は果たされないままに、鳩山首相は6月2日に辞意を表明した。

退陣表明演説では、「普天間問題」「政治とカネ」「社民党の政権離脱」、そしてのちに揚げ足をとられることになる「国民のみなさんが徐々に徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった」こと、などなどが原因として語られた。

鳩山首相辞任の“黒幕”は親米メディアと米国と語っている人もいる。



電子書籍の時代になると、紙とインクと書店がいらなくなる……という意見を、この数カ月間、耳にタコができるくらいに聞いている。

昔、ファミリーコンピュータが流行ると、ゲームセンターはなくなる……という論もあった。

「ゲームをやり過ぎが原因だ。なぜ、ならば犯人の部屋には暴力的なゲームがたくさんあったから」と報道されることがある。この論は、「風邪をひくのは、みかんのせいだ」に似ているところもある。冬になると風邪をひく人が増える、冬はみかんの季節でもある。行ったことと、置いてあるモノの関係を、安易に結びつけていいものだろうか。

私事だが、数日前、知人の出版関係者の訃報に接した。そのせいか、時折、カラダがだるくなる。



民主党代表選挙が終わった。
私は、まったく知らなかった樽床伸二議員の生い立ちを聞いて、ジーンとくるものがあった。選挙運動中のカップラーメンの話には、心が揺れた。だが、私の「心の揺れ」と「選挙結果」には、なんの因果関係はない。

予想通り、菅直人民主党代表が選ばれた。
これから、日本の内閣総理大臣になる。

今日の午後、今日の夜、週末のニュースでは、いろいろな分析や論調が飛びかうだろう。



注意深く扱わなくてはいけないのは因果関係である。
相関関係や先後関係との混同を避けなくてはいけない。

政権交代があった夜を思い出して

  • Day:2010.06.02 11:44
  • Cat:政治
鳩山由紀夫首相は退陣する意向を表明。
民主党の小沢一郎幹事長にも退任。

2009年8月31日、第45回衆議院議員総選挙が行われました。
その夜の選挙速報をテレビで観て、翌朝の東京の景色を眺めて、私は以下のような感想を持っていました。
2009年9月1日のブログで、私はこんなことを書いています。

日本というトンデモナイ組織を「変える」という物語。
政権誕生の瞬間から、フィクションになるような「感じ」がしていました。
株主優待