Hisakazu Hirabayashi * Official Blog2011年07月

ゲームスタイルが変化している

@Nifty ビジネス第12回
ゲームは「深化」から「拡大」へ
http://business.nifty.com/articles/game/110707/

公開されました。
この連載は短期集中連載で、今回が最終回になります。
短い文字数で濃縮して語るのが大変でしたが、日頃、ゲームに関心があるけど、専門家ではないビジネスパーソンの皆さんに読んでいただきました。

@Nifty ビジネス編集長、ならびにこまめにメールをくださり、書き手を励ましてくださった担当編集のSさん、どうもありがとうございました。

「深化」から「拡大」へ。
わかりにくいタイトルをつけさせていただきましたが、一本のゲームをドンドン進化させて、プラットフォームごとにソフトをつくる。お客さんは固定ファン。フランチャイズ・タイトルというと、聞こえはいいのですが、人気のIP( Intellectual Property)を肥大化させていく方法とは、別の道も生まれてほしいな、という願望を込めて書きました。

どのハードが売れている。
このハードにもいちおうソフトをつくっておこう。
おっと、開発者が余ってしまうから、もう一本。

こうした発想は、スーパーファミコン、またはNintendo64、プレイステーション、セガサターン、ゲームボーイが並びたっていた頃から広まった一種のゲーム業界の常識でした。ですが、今、冷静に見直してみれば、供給者の論理(サプライヤーズ・ロジック)の典型ともいえます。

文中にありますように、多端末化は止めようのない流れでしょう。
3G通信、屋外でのWi-Fi通信、家庭用内でのブロードバンド通信。通信の高速化と普及率の上昇も止めようのない時代のトレンドです。

そんな時代、ユーザーは、プラットフォームごとに遊ぶソフトを選択するのか。
もちろん、そうした伝統的なユーザーは大量にいるわけですが、もっと大量に眠っているのは、ゲーム会社の論理ではない。自分の生活時間に合わせて、端末を選び、ゲームに接しようとしている人たちであるように思えてなりません。

今、ゲームソフト会社の経営は、転換点を迎えています。
仮に「95年モデル」と呼びましょう。供給者の論理から抜けだして……なんかきれいごとっぽい言葉で、使うのに躊躇しますが、生活者の論理から逆算されたゲームソフトが多く登場することを期待しています。

ライフスタイルならぬ、ユーザーのゲームスタイルが変化している現在です。

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ニンテンドーDSのTシャツ

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暑い。
夏服の整理をしていたら懐かしいTシャツを見つけた。
ニンテンドーDSの発売時、任天堂とBEAMSがコラボレーションしてつくったTシャツだ。

2004年秋。
当時、任天堂はニンテンドーDSを多くの人に触ってもらうことをコンセプトにしたキャンペーンを行っていた。その名は「Touch! DS」だった。

札幌・東京・名古屋・大阪・福岡で「ニンテンドーワールド Touch! DS」という体験会を行っている。ハードウェアを触り、発売前のソフトウェアを触る。体験会の総入場者数は83,363人であったことが、このサイトで公開されている。

「ニンテンドーワールド Touch! DS」ではステージイベントも行われた。
印象に残っているのは、ピクトチャットを使ったクイズ大会だ。

司会者が問題を出す。
来場者にはニンテンドーDSが手渡され、正解をタッチペンで書き込み、送信する。
同じ正解者でも、早く送信した人が勝つ。

早押しクイズと同じルールだった。出題されるたびに、参加者は喜んだり、悔しがったりして、ステージのまわりは盛り上がっていた。

私はクイズの参加者に感想を尋ねた。

20歳代前半の青年は、「コレって合コンで使えますね」と言った。

小学校高学年の男の子は、「ニンテンドーDS使って、『かくれんぼ』をしたい」と言った。

「かくれんぼ?」と私が再び尋ねる。「もういいかい?」「まーだだよ!」とタッチペンで書いて遊びたい、と答えてくれた。

与えられたゲームソフトではない。
ハードウェアが、来場者たちの遊び心を刺激し、合コン、かくれんぼ……自発的におもしろい用途を想像している。来場者とこんな会話をした瞬間、私はニンテンドーDSが売れるであろうという思いが、いっそうに強くなった。

巨大スペースを使った体験会だけではなかった。
エキシビジョン「Touch!」という名前の、アーティストがつくったTシャツの展示会もあった。

その開催場所もBEAMSの店舗だった。BEAMS T 原宿、BEAMS T 代官山、BEAMS STREET 心斎橋、BEAMS 広島の4店舗で行われた。このTシャツはBEAMS T 代官山で買った。

IT MIGHT YOU SUCK YOU IN
直訳すれば、それはあなたを吸引するかもしれない。

あなたは好きになる。
あなたは欲しくなる。

ではなく、意味ありげな動詞……SUCK INにひかれて、数あるデザインの中から、このTシャツを選んだ。
約7年まえの記憶がよみがえった。

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株主優待