Hisakazu Hirabayashi * Official Blog2012年02月

Thank you=「ありがとう」誤訳説

ちょうど1週間が過ぎた。
先週の出来事だった。
十代のころからつきあいのある親友に会った。

私は、日頃感じている、とあることをつぶやいた。
「オレさー、最近、TwitterやFacebookで返信するときに『ありがとうございます』って言うことに、なんか抵抗を感じる。多用しすぎると、気持ちが薄っぺらくなるような気がするんだ」。

彼は大学を卒業後、留学した。
留学を終えたあとも、アメリカに20年間以上住んでいた。
こんな感想を言った。

「オレ、昔から疑問だったんだ。Thank youを『ありがとう』に訳したのは間違いかもしれないって」

さすがに親友、ツーといえばカーだ。
私は膝を打った。
それだ!

ありがとう。
漢字で書くと有り難う。
有り、難いから「ありがとう」と言うのだろう。

「有り難う」の反対語は有り触れた、有りがちな。
つまり、日常いかにも起こりそうなことを指す、のだろう。
めったにないことが起きるから「有り難う」なんだ、きっと。だから乱発してはいけないのだ「ありがとう」を。

ところがだ。
Thank=感謝はたくさんしてもいい。
エレベーターのドアの「開く」ボタンを押してくれた人にThank you。タクシーで行きたい場所に連れてきたドライバーにThank you。落としたハンカチを拾ってくれた人にThank you。

感謝を多用することは悪いことではない。
悪いどころか、かえって感謝の多さは、それが何者か? 自分でもよくわからないが「徳」を積んでいくことにつながっていくのかもしれない。

こんなことを男ふたりで話しをしていくうちに、Thank you=「ありがとう」誤訳説で話は盛り上がってしまったのだった。

以来、私はソーシャルメディア上で「ありがとう」を軽々に使うのをやめることにした。

本当に有り、難いと思った時には有り難うと漢字で書くことにした。
また、「Thank=感謝する」を多用するように習慣を変えた。

身の回りで理不尽なことはいっぱいあったけど、この1週間の最大の収穫だった。
新しい考えを持つことができた。
Thank you=「ありがとう」誤訳説。

最後まで読んでいただき、感謝申し上げます。

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みんなで就職を勝ち取ろう!って空気が非常に鬱陶しい

  • Day:2012.02.14 00:37
  • Cat:働く
思慮深く、物静かな青年だ。
彼はつぶやいた。

みんなで就職を勝ち取ろう!って空気が非常に鬱陶しい。
必要なものくらい自分で判断させて。


重い言葉だった。
その気持ち、わかる。
私の学生時代もそんな感じだった。

彼と話をした。
まともなアドバイスなんかできない。したくない。
彼はマニュアル的な就活から離れたがっている。
自分の生きるためのバイブルを求めている。
そのバイブルは、彼自身が紡いでいくことになるだろう。
私がすべきことは聡明な彼の頭脳に、いつもは感じない刺激を与えること。
だと思った。

まるで印象派の画家みたいにね。
具象画は描かない。印象に残ってくれればいいんだ。

こんなことを言った。

●真理追求型人間は現実との矛盾に苦しむ
●視野を広く、長期で見る。すると矛盾との苦しみは薄まる。
●まるでウイスキーのストレートが水で割られていくように。
●大きな魂は大きく悩む。
●今、ここに、の自分を受け入れる。
●「そういうもの」と開き直る。
●夜になってお腹が空いた、は悩みではない。「そういうものの一種」。
●持てる者の悩み、というのがある。
●理想家は現実に妥協したくない。だが一時の妥協は理想を叶えるための道程にある。
●解を求めない。ゆえに解なしという解もある。
●ディスカッション(討論)をしない。ロゴス(対話)をする。
●討論は勝敗、対話はエンジョイメント。
●悩みは続く、答えが見えそうになる、また悩む。アキレスと亀だ。
●人間の判断や行動は価値観が決める。
●価値には移ろい他人と比較できる相対的価値がある。
●移ろうことのない、たとえば真・善・美を良しとするのが絶対的価値だ。
●ふたつの価値観の衝突に人は迷う。
●これもまた「そういうもの」だ。

忘備録のように書き残しておく。
彼と私のいつかのために。

スクリーンショット 2012-02-14 0.00.05


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