Hisakazu Hirabayashi * Official Blogゲームモードはしなやかに分散する

ゲームモードはしなやかに分散する

昨日のつづきです。
ソーシャルゲーム論ノート(下)‥‥平林久和「ゲームの未来を語る」第17回
http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=3679

にて、こんな記述があります。

たとえば、レースゲームがある。きれいグラフィックスで3DCGを見るのは家庭用ゲーム機がやることだ。

レーサーを育成するのはスマートフォンで操作する。スマートフォンで長時間レースゲームは遊べない。だが、一日数回のコマンド操作で、レーサーのトレーニングメニューを選ぶことはできる。その結果は、自宅に帰ってきれいな画像で見ることができる。

タブレット型のPCもうまく使いたい。私は前回、タブレットPCは「ページめくりをしたい」と述べたが、そう、レースゲームならば、世界の名車カタログが電子書籍のように読めるのだ。攻略本やファンブックはタブレット型のPC向けに販売されてもいい。

今までのゲーム、とりわけ家庭用パッケージゲームは、プレイモードとプレイスタイルは、ひとかたまりのソフトウェアの中に閉じ込められていた。ひとつのソフトウェアに多種のモードがある。それを単一ハードで遊ばなくてはいけない、というのが常識だった。そのソフトウェアのつくりに、顧客は自分のライフスタイルを合わせなくてはいけなかった。

逆だ。
顧客のライフスタイルに合わせるために、端末を分散させ、ゲームモードを分割させるのは、未来のゲームのひとつの選択肢ではないだろうか。


この文章。わかりにくいな、と自覚していました。
平易な言葉で書いても、ゲーム業界の方が読んでも、すんなりと入ってこない概念だと思っていました。
補足説明をします。

この記事を書いたときに意識していたのは『グランツーリスモ5』でした。
私はこのゲームは相当やりこみました。
ドライバー育成モードでは、実時間で24時間、プレイステーション3を稼働させっぱなしにして遊びました。
なぜ過去形かというと、震災以降、節電の妨げになるので24時間連続のゲームプレイはやっていません。

gt24.jpg
▲24時間耐久レースの場面


そして、この24時間のうちに、レースで勝って賞金を稼ぐ行為をするのと同時にドライバーを育成します。
このゲームモードでは、4人を出場させることができます。

DSC_0172.jpg
▲ドライバーの選択画面


私はプレイしながら、思ったのです。
この耐久レースでは、どのタイミングでレーサーを交替させるか、ピットインした際のタイヤは耐久性はあるが、グリップ力が落ちる。逆にグリップ力がありスピードは出るが耐久性はない。
こういう指示は、プレイステーション3の前に座って操作をしなくても、スマートフォンでコマンド操作をすればできることでもある。外出中にレースの様子が知りたければ、テキストで表示されるだけでもいい。

さらに『グランツーリスモ5』には、300ページを超えるブックレットがついています。
ブックレットというよりは、クルマの辞典のようによくできた本です。
これは初回限定版に同梱されているのですが、電子書籍のようにタブレットPCで読みたいと思いました。新車は次々と追加されます。ゲームソフトと同様に電子書籍ならばブックレットもアップデートできます。そして、電子で配信した方が製品コストが下がり、論理上、価格も安くなるはずなのですね。

gt.jpg
▲Apexと書いてあるのが豪華仕様のブックレット


プレイヤーが操作するレースゲーム。
ドライバーの育成ゲーム。
ブックレット。

これらが、ひとかたまりになってパッケージソフトは構成されているのですが、一枚のディスク、ひとつの箱に閉じ込めるのではなく、端末ごとに分散させる。こうした遊びの方向転換は「忙しい」と言っている現代ゲームユーザーの新しいプレイスタイル=生活スタイルに適合させる可能性に満ちたゲームだと思ったのです。

『グランツーリスモ5』は、グランツーリスモ・ドットコムでブラウザゲーム的な遊びの要素を取り入れてました。同サイトでは、アイテム課金のようにグランツーリスモTVの動画を少額で販売しています。

『グランツーリスモ5』は、完全ではないけれども明らかに、ソーシャルゲームとパッケージゲームが今後、融合していくサインを含んだものでした。

ひとつのソフトのシームレス化というか。
数十年続く、ゲームモードなるものの役割は、しなやかに分散していくことを夢見たわけです。

(つづく)


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