セミナーのご報告
- Day:2008.09.12 00:45
- Cat:ゲーム
要点をお伝えします。
デジタルコンテンツ白書が発刊されたわけです。
つまり、日頃、漠然と起きていることを可視化・数値化するのが白書の目的なわけです。
それそれとして意義あること。
しかし、可視化と数値化には危険性もあって、見えているので、人はそれを信じ、信じるのはいいのだけれど、信じすぎて、他の考えを排してしまうところが、恐いわけです。
見たものだけを信じると、信じすぎると、どんな過ちを人は犯すのでしょう?
地上ははてしなく水平で、太陽が自分のまわりを回っているように見えるのです。
考えが、本質とまったく別のところに帰結する。
そこまで極端でなくても、数字の一人歩きというのは、よくある話です。
それが、「目」だけでモノを見る人間の愚かなところ。
だから、「脳」でモノを見る必要があります。
前振りでそんな話をしたうえで、以下のデータを見ていただきました。
ようは……
●1998年と2007年のソフトウェア市場は25%減である。
●ハードウェアばかりが売れている。
●ハードなければただの箱」の常識の崩壊している。
●ニンテンドーDSは市場最多・最速のペースで売れている。
●プレイステーション・ポータブルも好調である。
●ソフトウェアの市場占有率も任天堂が高く、もはや「任天堂業界」出現している。
●ゲーム機のみならず、携帯電話、i-Pod等を含む携帯主流時代が間近に迫る。
●業界内には据え置き機不要論もある。
などの定性情報をつけ加えました。

*平林作成スクリーン資料より
普通なら、それでパチパチで終わりなんですけど、ちょっと余計な話をしました。
2011年の7月革命と名づけましたが、今後、携帯機が超高速ブロードバンドを身にまとったとき、ゲーム産業はどこに向かうのか。
そのビジョンが見えていません。
夢でも、理想でも、ホラでもいいんです。
それが働く人々に伝わらない。
伝わらないで、ただ現状の開発に追われている。
しかも、超大作を数十億円もかけて開発するかと思えば、数千万単位の低予算でニンテンドーDSの開発に血眼になっているのが現状。
つまり、先が見えない。
ゲームの存在意義とゲームの定義そのものが揺らいでいる。
すなわちクリエイターのみならず、この産業の従事者は、自分がなんのために働いているのか、もっと言うならば、なんのために生きているのか、その意味を見失いかけている。
よって、この産業では心の病を抱えた人が増えていく、という悲しい現実がある。
今後、東京ゲームショウに向けて「日本国内ゲーム産業、史上最高!」と、喧伝されるのが見えるようです。ですが、そこには「数字のマジック」と、誰も語らぬ「多数の人々の心の闇」があることを、自分なりに述べさせていただきました。
われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか。
フランスの画家ポール・ゴーギャンが描いた、タヒチの絵画の題名をプレゼンテーションの結びといたししました。
わかる人にはわかっていただき、ものすごい好反応をいただきました。
今日、何通ものメールをいただきました。
でも、わからない人もいて、この人、なんでゴーギャンなんて言ってるの?
口をポカンと開けている方もいらっしゃいました。
まあ、そういうものなのでしょう。
わかる人には身にしみるけど、わからない人には口ポカン。
われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか。
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