Hisakazu Hirabayashi * Official Blog「ゲーム業界」を書いた心の裏では

「ゲーム業界」を書いた心の裏では

拙稿が公開されましたのでお知らせします。

就活生へ。業界研究より産業動向を見る時代だよ・・平林久和「ゲームの未来を語る」第26回
http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=4956

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ブログでは書いた者の気持ちの裏側をつづります。おつきあいください。
本稿、一文字一文字、綴っていくことが、まるでサーカスの綱渡りのような心境でした。

欲を張ってしまいました。
「就活生へ」は表題の通りであります。
それに加えて、すでにゲーム会社で働いている方にも、メッセージを発信したいと思いました。想定読者が2属性なので、この事例でいいのか、言い回しはどうなのか。書いては消し、消しては書いた原稿です。

それに、私は「ゲーム業界」って言葉に執念ともいえるような思い入れがあって、その思い入れを、時には出したり、時には引いたりしながら、難渋して書いた原稿でもあります。

今、「ゲーム業界」について書くことは、自分の心の葛藤と、いやがおうでも向き合うことになります。この自分との戦いが、まさに綱渡りのようでした。これでいいのか? これでいいのか? 何度も自己確認をしました。ですから、スラスラとは書けませんでした。

ふー。「ゲーム業界」。

私と「ゲーム業界」なる言葉とのかかわりは、根が深いんです。
「ゲーム業界」という呼び名はオレがつくった、なんて書くとアレオレ詐欺になってしまいます。ですが、1986年、ゲーム専門誌の編集者になりたての頃から、周囲から違和感を持たれながらながらも、その圧力をはねのけるようにして「ゲーム業界」なる言葉を私は意図的に多用してきました。

なぜそんなことをしたか?

今では信じられないかもしれませんが、当時は「ゲーム業界」という認識を持っている人が少なかったんです。
ゲームはブームだと思われていた。いつか去ってしまうのがブームです。
そうじゃない。ブームじゃないよ、きちんとした業界になっているよ、これから業界になってくれよ、そんな思いを込めて使ったのが「ゲーム業界」。

「ゲーム業界」という言葉を広めることによって、ゲームをブームから一段格上げしたかったんですね。たかが、ファミコン必勝本のヒラ坊が。生意気でしたね。

これはアレオレ詐欺にはならないと思いますが、大げさでごめんなさい、日本の出版史上初めて「ゲーム業界」と名がついた本を書いたのは私です。1991年10月に刊行されました「ゲーム業界就職読本」がその書名です。

この本の発行後も、雑誌・新聞・書籍・コンサルティングレポート・ウェブサイト・ブログ等々で、いつもいつも「ゲーム業界」と書いてきました。

もう気にしないで、堂々と詐欺めいたことを言いますが、私、平林久和という人物は「ゲーム業界」と書いた数、世界で一番多いのではないか、と思ったこと、何度もあります。

それほど愛着がある言葉、「ゲーム業界」です。
ですがね、愛が憎しみにかわることってありますよね。

ブームから格上げするために私が使い続けた「ゲーム業界」が、世の中に定着したことは、ある意味で本望かなったわけですが、定着を超えて固定化してしまうことに、危うさを感じるんです、特に最近。

「ゲーム業界」とはこういうもの。言葉の力が、本来ならば自由人だった人たちを縛っているな、と思うことがままあるからです。

もう、ブームの代用としての「ゲーム業界」の役割は終わった。
「ゲーム業界」とやらは、業界の枠を飛び出して行こうよ。
時の流れの節目が来ている。創造的破壊の時期が来ている。
オレは自らが唱えつづけて来た「ゲーム業界」を、自分の言葉でぶち壊して、次のステージに持ち上げたい。そんな思いが湧いてきます。
生意気な性分は変わらないんですね。

デジカメが普及してカメラ用の「フィルム業界」がなくなったら、印刷や医療のフィルムをつくればいいじゃないか。なにも、カメラにしがみつくことはない。ついでに化粧品もつくちゃえ。フィルムメーカーって柔軟で、なおかつタフだと思います。

そんな柔軟なタフネス? 言語矛盾かもしれないけど、ま、いいか。
柔軟なタフネスを持つことが、今の「ゲーム業界」に属している企業は必要で、それはまた働く個人についても同じことが言えるんじゃないの?

あーだこーだ、考えて書いた原稿です。
読者は2属性。
書く題材は思い入れ大杉。

というわけで、一石二鳥が二兎追うものは一兎をも得ず、思い入れ多くして筆者のひとりよがり。そういうご批判があるのは覚悟して書きました。

今?
すっきりしたような気分、じゃないです。
皆さんからどう思われるのか、書き終えたあとも綱渡りは進行中。

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posted by Hisakazu Hirabayashi

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