Hisakazu Hirabayashi * Official Blog任天堂……殿様商売の典型企業はいかに変貌したか

任天堂……殿様商売の典型企業はいかに変貌したか

任天堂の発表会に行きました。

やはり新型機の発表があって「ニンテンドーDSi(アイ)」、11月1日に発売。新たにカメラを搭載し、音楽再生もできる。細かなところでは、本体を薄型・軽量化し、液晶画面を3.0インチから3.25インチに大きくするなどの変更が加えられました。もちろん、ワイヤレス通信やWebブラウザ機能の強化も。

以上は各メディアが報じている通りです。

私は「見えないものを見る」と豪語していった手前、もうひっこみはつかず、他紙や他誌が書かない感想や展望などを列記してみます。

●まず、任天堂という会社は本当に変わった。昔はありえなかった。80年代後半~90年代の前半の任天堂というのは、殿様商売の極みだった。発表会はすべて京都本社で、東京のメディアを「呼びつける」ので評判が悪かった。そして……当時は気にならなかったが、手土産に頂戴することの多かったのは、な・ぜ・か、あの『吉兆』の素麺だった。ところが近年は、記者発表は東京で行うのが当たり前となり、出迎える社員の方たちも礼儀正しい。製品絶好調-企業文化は最低、というのはよくある話。まさにその典型の企業が、よくぞここまで変貌できたと思う。

●その変貌を牽引したのは、岩田社長である。任天堂のあらゆることを変えるために、陰でご苦労なさった。製品開発、マーケティング、イメージ戦略……でも、私が思うに「人を変えた」のが、何よりの功績であろうかと思う。具体的には人事制度や給与制度等々にメスを入れた。任天堂というのは困った企業で、お金がありすぎて組織がダメになっていったケースにあてはまる。奢れる平家と同じである。社員たちは、決算書を読めば嫌でも、ウチの会社には現金があることを知る。ゆえに、社員に危機感などない。野心もない。そんな「守勢」「縦割り」「減点法」の発想が染みついた人と組織が、この数年でじわじわと変化して実を結んだ。激変はしていない。私が思うに少なく見て3年、長く見て5年かけて変化したと思う。

●世界の任天堂の岩田聡社長である。……だが、昔は私よりも少し年上のプログラマーだった。頭に“天才”がつくプログラマーだったけど、気安く「岩田さん」と呼ばしてもらっていた。彼のフランチャイズである神田で魚料理を食べたり、私のフランチャイズである渋谷でフランス料理を食べたり、そういう仲だった。山梨の石和温泉に、ご一緒させていただいたこともあった。だから、このことだけについては儀礼も、物書きとしての視点も忘れて、昔からの後輩の立場から「岩田さん」を論評すると、お話が本当にお上手になった。下のエントリーのヘタな英語で、わざわざ“beautiful speech”と書いたのも、お話の早さ、滑舌の良さ、論理性、全体に行きわたる日本語の正しさが素晴らしかった。いや、そんなことよりも、長年つきあってきたゲームなるものへの愛情、それを遊ぶ人への慈しみが感じられ、暖かみがあった。それが何よりの好感の源になっているのだろう。また、普通の企業の社長は言わない、自社の弱点を正直に語り、その解決策を論じる独自の岩田話法も、私は説得力があると思う。

岩田社長が愛読したと、漏れ聞いたのが、この本です。
「早く、アップしろー」と催促のメールが来たので、一旦、ここまで。

つづきます。

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(2005/06/21)
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