Hisakazu Hirabayashi * Official Blogヒト・モノ・カネよりも時(トキ)が重要な21世紀ビジネス

ヒト・モノ・カネよりも時(トキ)が重要な21世紀ビジネス

前回のエントリーのつづきです。
PS3(PLAYSTATION3)やNTTドコモやGoogleのビジネスにからめて、ちょっとビジネスの一般論の寄り道です。

話をわかりやすくするために、テーマを絞ります。
大切なのは、時(トキ)です。

よく、企業経営に必要なのは、ヒト・モノ・カネと言われます。
ですが、私は時(トキ)も重要と考えます。
それが21世紀のビジネスの特徴です。

厳密に言うと、時(トキ)はヒト・モノ・カネのような「経営資源」ではないのですが、専門家の方、そこは突っ込まないでください。

時(トキ)は重要。
時(トキ)がビジネスの勝敗を決める……ということを言いたいのです。

とにかく、時(トキ)です。

私はビジネスと時をこんな風に見ています。
野球のバッターにたとえると。

打ち急ぎ
ジャストミート
振り遅れ


……の3種類です。
打ち急ぎ=実際に市場はそこまで成熟していないのに製品を出してしまった。別名、「早く剥きすぎたゆで卵」です。いいものをつくった、早く出したいという欲求、売上確保のために急いででも出さなくてはいけないという制約などが、打ち急ぎを招きます。

いい例が、テレビ電話ではないでしょうか。未熟な技術しかなかった1980年代から、何通りのテレビ電話関連の製品やサービスが売られてきたか。それこそNTTドコモのFOMAは、最初、テレビ電話機能を重要な製品特徴に位置づけていました。でも、どうでしょう? 皆さん、いつもテレビ電話、使ってます?

ジャストミート=お察しのようにタイミングがズバリ的中した例です。任天堂のWii、売れているのはご存じかと思います。

ですが、身振り手振りで遊ぶ製品は過去にたくさんありました。すごい古くは、バンダイという玩具メーカーは『ファミリートレーナー』。今で言えば『Wii Fit』みたいな製品がありました。同じく玩具メーカーのエポック社は、体感ゲームと称したシリーズがありましたし、プレイステーションでも『アイトーイプレイ』がありました。

それぞれが、それなりにヒットはしましたが、シングルヒット。
完全ジャストミートでホームランをかっ飛ばしたのは、任天堂のWiiでした。

では、任天堂は全戦全勝かというと、まったくそんなことはなく『バーチャルボーイ』という、裸眼立体視……映像を3Dにして遊ぼうという試みを1995年に仕掛けて大失敗しています。こちらは打ち急ぎの好例。

振り遅れ=時すでに遅し、で失敗したケースです。マクドナルドが流行った、セブンイレブンが流行った……という現象を見てファーストフードやコンビニエンス・ストアに多くの企業が参入しましたが、戦いに敗れて撤退していった企業は、たくさんありますね。

企業経営。モノづくり。
「何をつくるか?」と同じくらい、いや、それ以上に「いつ出すか?」は明暗を分けます。

ホリエモンのフジテレビ買収。
楽天の三木谷浩史社長のTBS株取得。
放送と通信の融合、考えていることは正しいのですが、時(トキ)が早すぎました。

私が好きなアメリカのコンピューター業界のコラムニスト、ロバート・X・クリンジリーはこんなことを書いています。

「サーフィンは、ハイテクビジネスの完璧なメタファーだ」。
名言です。

変化が激しいハイテクビジネスの世界では時流をつかむのが肝心。
波に乗り遅れるな、潮の変わり目を読め、と彼は言います。

乗って良い波と悪い波の見極めで勝負が決まる。
私は野球を例にしましたが、同じことを言っています。

コンピュータ帝国の興亡―覇者たちの神話と内幕〈上〉 (Ascii books)
コンピュータ帝国の興亡―覇者たちの神話と内幕〈下〉 (Ascii books)
robert1.jpg

robert2.jpg


FC2 Blog Ranking

Comment

わかりやすい
私、MBA取得者ながら、わけあって現在アルバイトの身です。
簡単なことを難しく教えるのがMBA的な経営学だとしたら、平林さんは難しいことを簡単にする経営学の人ですね。
経営学で学ぶ、字に書かれた「ケース」ではなく、生きた「ケース」をたくさんご覧になられたからでしょうか。
新しい経営論、書いてください。
経営や仕事に関する本がいっぱい出てますが、どれもピンと来ないのです。
そのせいか、仕事も選り好みが激しくてバイトの身です。

  • 2008/11/20 21:44
  • バイト君
  • URL
身に余る光栄なご感想、ありがとうございます。私、確かに難しいことを簡単に言う努力だけはしています。修行はまだまだ足りませんが。

じつは夕べ、まどろみながら聞いたPodキャストで、USP(Unique Selling Proposition)とか、ブランド・エクイティティとかの話をしている講師がいて、したり顔でWiiの話とかしているのですね。でも、浅い、甘い、青いの三拍子で聞いちゃいられない。成功した製品の成功要因を分析してどうする?

USPはわかるけど、そのユニークさと、時流のマッチングこそが大事だろう。ユニークな製品やサービスなんて、どこにでもある。そこに着眼してこそのマーケティングだろうと思った次第です。

ユニークであるにもかかわらず、売れない製品はなぜ売れないのか。その研究のほうが、当たり前ですけど実践的ですよね。

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2008/11/21 15:04
Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
株主優待
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。