Hisakazu Hirabayashi * Official Blog自分のペースに時計を進めてしまう天才

自分のペースに時計を進めてしまう天才

時(トキ)は大事で、それにはサーフィンのように波をつかむ感性が必要、なんて話をしました。

ですが、時(トキ)は待ったり、見極めたりするのではなく、自分のペースに時計を進めてしまう能力のある企業や経営者がたまにいます。

アップル社、あるいはスティーブ・ジョブス。
iPod、iPhone、iTunes、iTouch。

あえて言いましょう、どれも他愛のない技術です。どれも誰もが考えそうなアイデアです。
だが、それを自分のペースに時計をあわしてしまったのが、すごいところです。

音楽をデジタルに。
そのデジタル化した音楽をネットワークで配信する。
その配信データを課金する。

斬新さのかけらもありません。
でも、これをやろうとすると著作権がどうの、既得権を持っている販売店がどうの、音楽ビジネスがからむだけに、ダークな世界の人たちがどうの……そんな外的環境が現実化の妨害をしてきました。

名は書きませんが、日本でもiTunesストアに近いことを考えた人、いました。
そこの会社の本社は私の仕事場から歩いて数分。
社長は20年来の知人。

つまり、すごく身近な場所と人物です。
ですが、このビジネスをはじめて間もなく、オフィスに銃弾が撃ち込まれたことがありました。

そんな困難をぶっ飛ばし、時計の針を自分で早めたり、遅くしたりしながら、iPod、iPhone、iTunes、iTouchの商品群を立て続けに。しかも、相互にプラス反応が起きるようにしたのが、アップルのすごいところです。

話は旧エントリーでご紹介した、Aさんからいただいておりましたリクエスト、プレイステーションに戻ります。

プレイステーションというのは、まさに時計の針を早めたマシンでした。

3Dのコンピュータ・グラフィックスが家庭で遊べるとは思わなかった時代に、時計の針を早めてしまったのです。時代の進化を強引につくり上げたのです。

世の中で5000万円くらいで売っている「ワーク」ステーション並みの性能のものを、遊びに使って、「プレイ」ステーション。価格は4万円以下。PlayStationはWorkstationの対義語としてのネーミングです。

そうして、当時の巨人、任天堂を倒して大勝を収めたのが、ソニー・コンピュータエンタテインメントであり、プレイステーションの開発者である久多良木健氏でした。

その勢いに乗って、2000年に出したのがプレイステーション2ですね。
これも、時計の針を早めました。
ただし、ゲームの部分よりもDVDの部分が大きかったでしょうか。

まだ、普及途上のDVD。DVD専用再生機を家電店で買うと、やっと10万円を切ったような時期に、最高級のゲーム機とDVD再生機能が一緒になって4万円以下。もちろん、爆発的に売れたわけです。

つまり、思うんです。
時計の針を早めてしまう、企業・経営者って、製品やサービスを開発しているのではなく、世の中をアジテート(=煽動)していると。

マーケティング。
マーケティング活動の一環としての広告コミュニケーション。
それよりもはるかに高次元のアジテーション(agitation)。

これがツボにはまると、世の中の時計の針は正確に時を刻まず、仕掛け人の思うとおりに動くのです。


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