Hisakazu Hirabayashi * Official Blog憂国忌、三島由紀夫は孤独していた

憂国忌、三島由紀夫は孤独していた




さて、一昨日はコンセプトが曖昧な「勤労感謝の日」。

昨日は私の誕生日で、スティービー・ワンダー様に祝ってもらったわけですが、今日、11月25日も、私にとってはいわくつきの日なのです。

本名・平岡公威(ひらおかきみたけ)、ペンネーム・三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で、檄文をまき、自衛隊員たちにクーデターを促す演説を行うも、誰も呼応せず。のちに割腹自殺をした日です。

起きたのは1970年のこと。
当時の三島由紀夫が45歳。昨日までの私の歳と一緒でした。

中学時代、文学少年だった私は、三島由紀夫を愛してやみませんでした。
でも、自分が歳を重ね、中年期になるにつれ、三島由紀夫は、尊敬してはならない、生涯をまっとうしない、忌むべき存在として、ああ、軽々しい言い回しで情けないのですが、反面教師とするようになりました。

三島由紀夫の理想論、確かにわかります。
それがまっとうできないとき、サムライとして華々しく散る。
そうした美学が、自分が嫌いではないだけに恐かった、30代の後半でしょうか、なんだかんだ言って3年間くらい、自分の心の中で訓練して、訓練して、三島文学への尊敬の念と、彼の人生の選択の誤りとを峻別するようにしたのです。

そして、なんとかその訓練、いうなれば体内に設立した脱・三島由紀夫学校を、卒業できたのは40歳を迎える、わずかまえのことでした。

……にしても、上の映像を見ると、心が締めつけられます。

功をなして名を遂げた三島由紀夫、文章道をきわめた三島由起夫、美意識と論理で見事に武装された国家論を、あの三島由紀夫が訴えるのに、彼は市ヶ谷駐屯地のバルコニーで、悲しいくらいに孤独しています。文章としてはヘンで「孤立しています」と書くべきですが、「孤独している」とどうしても書きたい。群集の中で天才は悲しいほど孤独でした。本日は、三島ファン、支持者のあいだでは「憂国忌」と呼ばれています。

上記動画の長編バージョンはこちらでご覧になれます。


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Comment

昭和40年代、応答式のドアホンはまだ珍しく、私と男の子二人は今でいう“ピンポンダッシュ”を…その家で何度かやっていました。

東京都大田区南馬込…臼田坂上から少し池上方向に坂を下りたあたりに、その家はありました。
その日は間が悪く、私達はその家の主と思しき男性に見つかってしまいました。

“こっちへ来なさい。さぁ入って…”
ピンポンダッシュというスリルを楽しんでたはずが、サスペンスになってしまったドキドキ感で恐る恐る中に入りました。

そして白亜の豪邸なるものを始めて見ました。

外国のお家みたい。

その家の主の男性が私達に言いました。

“そこに並んで…さぁ手を出して…”

“片手じゃダメだよ、さぁ両方の手を出して…まずは飴玉から…”そう言って、私と男の子二人の手の上に外国製と日本のお菓子を順番に乗せてくれました。

そして“ピンポン押すの面白いかい?”と質問されました。
私達は緊張の余りお菓子を乗せた手を下げることも出来ず
“はい…ごめんなさい、もうしません”を繰り返し何度もいいました。
主の男性は笑いながら…
“そうだね、いちいち見に行くの大変なんだよ…もうしたらダメだよ”と言い…さらに大きな声で笑いました。

顔はちょっと怖くて…でも優しい方でした。

その後、その年だったか…翌年だったか記憶は定かではありませんが、学校の帰り道、その家の前に沢山の車が停まっていて迂回するようにお巡りさんに言われて…ぐるっと遠回りして家に帰りました。

家に着くと母が“三島由紀夫が死んだは…近所だから…”と誰かと電話で話してました。


  • 2008/11/25 01:25
  • 野良女
  • URL
高校生の頃で、帰宅したら報道されていました。
ところが、その日に限って、テレビが急に映らなくなったのです。音声だけで聴いていました。
その後、新聞に掲載された首の写真を含めて、記憶に残っています。
コメント、ありがとうございます
野良女様

これはコメント、思い出というよりは、ひとつの歴史ですね。三島由紀夫研究者にぜひ紹介したいエピソードだと思いました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

西森様

コメント、ありがとうございます。そうですか、私は当時小学生で、ただ両親・家族が騒いでいたくらいで、鮮明な記憶がございませんでした。もちろん意味もわからずに。ですので半分リアル、半分史実のような出来事として、体内に刻まれている事件です。
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