Hisakazu Hirabayashi * Official Blog大東亜戦争についてお答えさせていただきました

大東亜戦争についてお答えさせていただきました

  • Day:2008.12.10 00:00
  • Cat:世界
以前にもご紹介させていただいた、天下の小論をお書きの西森憲司さんが、「皆さんのご意見をお寄せ下さい」とアンケートを募集なさっています。

私は氏のBlogの熱心な読者であり、その健筆ぶりはお見事で、社長ランキングのトップランナーであり、人生の先輩でもあり、私のエントリーにもコメントをいただいておりますので、何かお役に立ちたいと思っておりました。つまり一票を投じたいと思っていたのであります。

しかし、その問題がなんとも難しいのです。
三者択一方式なのですが……


Q.大東亜戦争についてお聞きします
 どちらかといえば正しい戦争である
 どちらかといえば間違った戦争
 大東亜戦争って何?



 
 このご質問が、失礼なモノ言いながら曲者なのは、「第2次世界大戦」「太平洋戦争」ではなく、「大東亜戦争」とお尋ねされている点です。

 単に戦争の是非ならば「非」と言うのが無難な答えとなります。
 しかしながら、とりあえず列強諸国による、アジア植民地支配からの解放、という大儀があったとされる「大東亜」と言われると、安易に「非」とは言わせないトラップがしかけてあります。
 
 また、正しい戦争にも間違った戦争にも、「どちらかといえば」という質問文からして、回答者の苦悩を含ませており、そこがまた難しいのです。 
 もしこれが、「絶対的に正しい戦争」と「絶対的に間違った戦争」。
 はっきりとした是か非かを問われるなら答えやすいのですが、質問文はそうではありません。

 戦争の話をディナーの話にすり替えるのは不謹慎ですが、こんなところでしょうか。
 満腹でも空腹でもない。十分に満腹な後にデザートを食べるかどうか、その微差にあらわれる人間性と知見を問われている、そのような難しさを感じるのです。

 この難しいご質問に一票だけ入れて、一行のコメントではないな?
 いっそ、1000文字で小論文を書いたほうが楽かも?

 というわけで、以下のように小論文をまとめまして、西森様にお読みいただき、のちほどクリックをすることにいたしました。

(以下、私の見解)

第2次世界大戦の意味を考察するうえで、私が思う重要な要因のひとつに「産業革命」がある。
当時の世界の国々を、経済発展を軸にして、以下の3つに分類してみたい。

(1)産業革命が早く起きて工業化が進んだ国々。
(2)産業革命は起きたが、(1)よりもその到来時期が遅かった国々。
(3)産業革命が起きなかった国々。

(1)の国々は(3)の国々を植民地として、工業のための原材料の確保と、場合によっては労働力の確保を行った。(2)の国々も植民地がほしかった。すなわち、(3)の植民地化をめぐって(1)と(2)が戦った。産業革命=経済成長の時間差が生んだ。それが第2次世界大戦であると私は解釈している。

(1)はアメリカ、イギリス、フランスの連合国であり、(2)はドイツ、イタリア、日本の枢軸国であった。

すでに(1)はアジア諸国を植民地化していた。当時、その支配から解放し、東アジア全体の共栄圏をつくろうとする、当時の日本の外交上のコンセプトは正しい。私は大東亜共栄圏の考えに賛成であり、現在においてなお、アジアの国々同士の共栄は大切であると考える。

しかし、そのコンセプトは認めるものの、以下の二点においては疑念と批判の精神を持たざるをえない。

第一に、当時の国家のリーダーは、本当に「大東亜共栄圏」をつくりたかったのだろうか。本当にしたいことは、上述の(1)を追い出して、(2)が(3)を植民地にすることであり、その後づけの理屈として、共栄圏なる卓抜なるネーミングを行っただけではないのだろうか。また、国家のリーダーたち、そして国民感情は、明治に唱えられた「脱亜入欧論」の思想と感情がともに強く、アジア重視の姿勢はそこにはなかったのではないだろうか。

第二に、その共栄圏を最終目標とするならば、植民地支配をしている連合国との外交戦術、関東軍が行った中国での軍事行動は共栄圏とは逆行しており矛盾する。それに海軍が真珠湾を攻撃し、無為に戦線を拡大し、山本五十六が唱えたように、すぐに和平交渉も行わなかったことも我が国の戦争被害を甚大化させた。

当時の外交、陸軍、海軍は、現在の縦割り行政と何らかわらない愚策の山積みであり、結果的におびただしい数の戦没者を生み、国民生活も困窮させた。

よって私は「大東亜共栄圏」のコンセプトのみ賛成ではあるが、その後のあまりにも粗末な外交・軍事行動が招いた大東亜戦争は、悲惨な結果を招いた戦争であった。ゆえに私は「どちらかといえば間違った戦争」に票を投じる。

……以上、変則的ではありますが小論文形式で見解を述べさせていただきました。


FC2 Blog Ranking

Comment

ありがとうございます。
大東亜戦争の良い部分を数えれば、それはそれで沢山あると思います。
五族協和や大東亜共栄圏についても、本当にその理念を信じ、殉じた人も多かったでしょう。
しかし、当時の外交、戦争指導などを見ると、日本文化や気質の、最も悪い部分が露呈しています。
自虐というようなことではなく、反省すべきは反省し、次に活かすべきでしょう。
西森様
コメントをありがとうございます。
こんなカタチでお返しさせていただきました。
じつはこのエントリーを書いた後にアンケートの途中経過を拝見しましたら、反対が圧倒的ですね。
私、この問いかけは多数決を採っているではなく、思考や議論の呼びかけであると解釈させていただきましたので、でしたら私は、どちらかといえば賛成に票を投じようかなと思いました。
「質問が曖昧」というようなコメントを残されていた方がいました。
曖昧なことを考えるから、人間はおもしろいのにと思いました。
Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
株主優待
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。