Hisakazu Hirabayashi * Official Blog正直に、小集団ごとに説明する

正直に、小集団ごとに説明する

  • Day:2009.04.22 00:18
  • Cat:働く
会社を元気にする方法に、正解などない。
業種や企業規模など、ケースによって、いろいろなやり方があっていい。
以上を前提としたうえで、私は「正直-個別派」に属すと自覚している。

私は「不安」をたくさん持った社員の話を聞くと、連想するビジュアルがある。
それはガレー船だ。


galley.jpg


ガレー船の乗組員は、暗い船室のなかで、櫓(ろ)をこぐという単純な労働を繰り返すだけである。
外界は見えない。

この船は、何のために航行し、どこに向かおうとし、そのためにはどんな困難があり、でも、見事に目標地点についたら、どんな幸福が待っているかを乗組員たちは知らない。

これぞ、不安の3原則。
(1)明確な対象を持たない
(2)自分で問題解決ができない
(3)(1)(2)から生まれた恐怖の感情
にあてはまる。

したがって、乗組員を「不安」から解放するためには、船長=経営者は暗い船室の外側のできごとについて、あるいは、甲板の上から見える景色について、正直に説明することが大切だと思っている。

外海は荒れているかもしれない。
目的地は遠いかもしれない。

そういったネガティブな情報でも正直に説明することが、大切だと私は考えているし、実践できる場面では、そうしてきたつもりだ。

ここで、説明がないとどうなるのか?
「不安」を持った集団は、神経が過敏になっていて、かつ、情報に飢えているので、噂を信じやすい心理状態になっている。

外海は荒れている。
だから、船は揺れている。
そこで誰かが、「この揺れはひどいから船は沈むだろう」とつぶやくと、その根拠なき情報が一気に広まり、「不安」はさらに増幅される。そしていつの間にか、「この船は沈むだろう」という物語ができあがってしまっている。組織が噂に支配されるのは、よくない状態だ。

であるならば、ネガティブな情報でも先んじて言ってしまえ、というのが私の考え方だ。

しかし、このネガティブ情報の伝え方は難しい。
情報の受け手の個性や経験の差によって、解釈が異なるからだ。

若手社員と管理職では、伝える内容は同じでも、その物語の構成は異なっているべきだ。
社歴が浅い社員には、過去の経緯などを端折らずに伝える工夫が必要だ。
技術者には技術者がわかる言葉がある。

だから「個別派」なのである。
ひとりひとりでなくても、小集団に分けて説明することが大切だと私は考えている。

「正直-個別派」に対すると思うのが、「モチベーション重視-全体派」である。
正直の対義語で不正直というのは失礼だ。
経営者は社員たちのモチベーションを高めようと努力する。

ネガティブな情報をやたら流すのではなく、ヤル気が出るグッドニュースや数字を伝達する。それを全社一斉メールや、朝礼、全社集会などで行っている企業がある。だが、私はその効果に疑問を持つので、あまりやらない。

このやり方だと、どうしても最大公約数的な、通りいっぺん情報を伝達するにとどまってしまい、「不安」の解消までにはいたらないケースが多いように思われるからだ。

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