Hisakazu Hirabayashi * Official Blogお金のある世界

お金のある世界

  • Day:2008.08.13 09:22
  • Cat:お金
……ところが、そんなそんな理想論ではなく、現実論を(かなり論理の飛躍があっても)、優秀だと誉めたたえる大人たちがいます。

SEO対策がバッチリなのか(笑)、お金のない世界とグーグルで検索すると、トップに出てくるのが以下の作文です。

一生懸命書いた中学生を責めたくはありません。

いや、先生にこの課題が与えられ「書かされた」と考えてあげたいものです。

審査員の迎合的な姿勢と、くどいですが、「おいおい検索結果のトップ項目がこれかい?」という寂しさが心に残ります。



「お金に感謝」
秀作・毎日中学生新聞賞


もしお金のない世界があったら、大人にとってそれは理想郷かもしれません。こんなにも忙しい、こんなにも息の詰まった国に生きていれば、誰だって何のお金の心配もせずに生きられる世界は理想になるでしょう。

しかしそれは、夢に過ぎません。大昔からお金はありました。人はとても欲深い生き物です。自分に有利に、有利に話を進めようとする気持ちが自然体です。ことこの経済大国日本に至っては、戦後のエコノミックアニマルという異名が物語るような、その日本人特有のお金に対する執着心は、今も健在ではないでしょうか。

そのお金の持つ力を考えると、お金は人類の文化の象徴と言ってもいいかもしれません。それはただ単に、人以外にお金を持つ動物なんてありえないなどということだけではなく、お金の持つ力が、ここまで人類を大きくさせたのだといえることです。

それは何より、今の日本のビジネスマンを見ればよくわかります。皆、お金のため、家族のため、一生懸命です。常にお金を軸に回っていく環境、それこそが人々に働く意欲をわき立たせ、大きく育てていったのです。

もし、お金のない世界があるとするならば、それは人々の譲り合い、助け合いの精神がきわめて高い証拠です。物事を損得で考えない、お互いを思いやれる心。たとえば、人の社会には仕事の分担が決まっています。生きるためには、肉屋も魚屋も、八百屋も欠くことのできないひとつのパーツであり、どれもこれも、お金という規定された枠で、公平に商売がなされるようにつくられています。

もしお金がなかったらと想定すれば、枠に収めるということができなくなるわけで、そういう場合に、お互いがどこかで譲歩し合わなければ、取引がうまく成り立たず、紛争が起こってしまうのではないでしょうか。つまり、お金というのは人の価値観を統一するためのひとつの道具なのではと思います。

そして、人類にとってお金という「道具」があることでの最大の利点は、人生設計ができるところではないかと思います。コツコツまじめに働き、老後はのんびりと暮らすもよし、一世一代の大勝負に出るもよし。すべては、お金のなせる業です。

お金はいくらでも「貯める」ことができます。これは単純なようで大変重要なことで、もしもお金がなかったのならば、人間は一生現役で働いていなければならないでしょう。それは野生の動物を見ればよくわかります。

原始時代にはまだお金はありませんでした。仮にあったとしても今ほど流通してはいないでしょう。またここで、お金が人間の文化を引き上げてきたといえることができます。原始人は一生現役でいなくてはなりませんでした。そのため、寿命は30年余りしかなかったといわれています。

江戸時代でさえ、約50年と短く、年貢はお金ではなく米でした。どちらもお金の流通が乏しく、生活が安定しないために、人生設計をすることができなかったのではないでしょうか。

それに比べ、現代人はお金を使う幅もぐっと増え、生活の中心はもはや動物や米を得ることではなく、お金を得ることが大部分です。もしもお金のない世界で暮らしたいのならば、数十年の寿命と引き替えに野生に帰ることが条件となるでしょう。

以上のことから、お金は「なかったらいいな」ではなく、「なくてはならない」のです。「あってよかった」ものなのです。お金のない世界。この日本にいて、今もたまに自分でも夢見てしまいそうになるような世界。しかしそれは、あまりに現実離れした、あまりに思考の足らない理想でしかないことに気がつきました。

生きるものはすべて働かなくてはなりません。お金を稼ぐことは、狩りに比べてずっと簡単であり、ずっと幸せに暮らすことのできる、人間にしか許されない手段です。僕の中には甘えがありました。お金が存在することへのありがたみ、そしてお金を稼げることへのありがたみを、これからも十分に実感する機会がたくさんありそうです。

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  • 2008/08/13 13:39
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