Hisakazu Hirabayashi * Official Blogゲームソフト配信、四半世紀の物語(3)/PSP goについて思う

ゲームソフト配信、四半世紀の物語(3)/PSP goについて思う

ゲームソフトのダウンロード流通に、やっと、風穴が開いたかなと思えるのは、05年以降だ。

ニンテンドーDS、プレイステーション・ポータブル、Wii、プレイステーション3は、それぞれに通信機能を持ち、体験版やゲームの追加データをダウンロードにより入手できる。ソフトによっては、ダウンロードにより購入できるものも出てきた。

しかし、これらはハードの機能にとっても、ユーザーの利用シーンにおいても、補助的なものであり、ゲームソフトの購入といえば、相変わらず、パッケージソフトの物販を意味した。

あくまでも風穴が開いたのであって、主流とはなっていなかった。

……という長い、四半世紀の歴史。
私の人生でいえば、出版社の新入社員になったときから、満47歳になる年齢になるまでの時間がかかって、やっと発売されたのが、パッケージソフトを使わない携帯ゲーム機である。

まるで背水の陣を敷いたかのようである。
PSP go。

下写真のハードで、その操作方法等はインターネットの動画で流れていたものと同一かと思われる。

pspgo.jpg

アメリカ、ロスアンゼルスで行われているE3(Electronic Entertainment Expo)のSony 2009 Press Conferenceで同機は発表された。

どの報道を見ても、記事はただ流すかのように「従来のUMDは廃止」「コンテンツはダウンロード配信などで購入する」とあっけなく書かれている。そこに、歴史の重み、未来への期待は感じられない。

成功すれば四半世紀の壁を破る栄光が待っており、失敗すれば再び歴史の海の藻屑(もくず)となる。そんな装置の発表であるにもかかわらず。

PSP goが成功するか、失敗するかは……今後のデジタルコンテンツ産業全体を左右するほどの命運がかかっている。PSP goは、過去と未来の架け橋となるかどうかの試金石なのである。

ただの新製品紹介みたいなことは、書きたくなかった。
ノン・パッケージ流通には、新入社員以来の強い想い入れがあり、夢破れた友人・知人・大先輩を何人も見てきたので、今日は3回もエントリーさせていただいた。

(とりあえず、終わり)

Comment

おつかれさまでした
3連続のエントリー、おつかれさまでした。
長い間、業界を見てこられた平林さんならではのご見識だと思いました。

あっさり、PSP goの記事書いている記者とは段違い。
任天堂ディスクシステムとNTT民営化をからめて、ダウンロード販売の苦難の歴史を語ることができる方は平林さんしかいません。

四半世紀といわれて、ああ、そんなに経っているのだとジーンときました。

私は、最先端とはほど遠いところで半分開発、半分開発ではないような仕事をしていますが、とにかく、パッケージソフトの売り上げが、これ以上、落ち込まないことを願います。
  • 2009/06/03 21:26
  • 業界のかたすみで
  • URL
業界のかたすみで様、コメント、ありがとうございます
かようなご評価をいただき、ありがとうございます。
そんな立派なものではなく、私自身、ディスクシステムの発表が衝撃的で、当時、まだ22歳。ヒヨコのような私は、世の中はそうなる……と信じていたのです。ところが、世の中はそうならない。これは永遠の課題と言ってもよいくらいに、私に強烈な問題意識を残した出来事でした。

村上春樹みたいな言い方をすると、忘れえぬ「1Q85」だったのです。
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