体感ゲームに引きつけ力はある。さあ、持続力が問題だ
- Day:2009.06.04 18:12
- Cat:ゲーム
『ソリティア』が細い帯のような面積を持ったソフト、とすれば、今朝の日本経済新聞朝刊で報道された、体感ゲームは高いタワーのような面積になる。
……という説明でおわかりだろうか?
体感ゲームには、触ってみたい魅力にあふれている。
ギミック(Gimmick・仕掛け)にひかれて、とにかく、やってみたくなる。
やってみると、普通のゲームソフトのボタン操作とは違った動作をするので、熱中しやすい。
疑似体験ができるし、感情移入もできる。
というわけで、縦軸(Y軸)=「熱中度」は著しく高くなる。
しかし、従来の体感ゲームは、とっつきやすさが重視されていて、技術的に言うとゲーム難易度が甘く設定されていて、ゲームとしての深みはあまりなく、どうしても「持続度」は低くなる傾向があった。
たとえば、野球を例にしよう。
スタートボタンを押して、10回くらいバットを振ったら、両翼100メートル、センターまで120メートルあるスタジアムで、非力な小学生や女子高校生や、運動不足のパパもママも、松井秀喜並みにホームランが打てるように設計しなくてはいけないのだ。
さもないと、ゲームなのに基礎体力づくりからはじめなくてはならず、バッターボックスに入れば、三振の山を築くことになり、そのゲームのことを、購入者は嫌いになってしまうだろう。
「体感ゲームはリアルだ」というのは、かなりの誤謬や詭弁がまざっている。
表層は確かにリアルだが、深層はリアルとはほど遠い手軽さがないと、体感ゲームは成立しにくいのである。
かつて、玩具メーカーのエポック社が体験ゲーム「エキサイトシリーズ」を発売して、大ヒットを記録したことがあった。それが以下のエントリーである。
エポック社の体感ゲームは、滋賀県にあるユニークな企業、新世代株式会社が開発した、XAVIX(ザビックス)というシステムを使ったものだった。
だが、玩具としてのブームは長くは続かず、XAVIXのシステムは、現在、実用的な製品に搭載されるようになってきている。
ああ、今日は何が言いたかったのだろう?
そうだ。
「体感ゲーム」
そろって強化
……は、手放しで楽観できるニュースではない。
高いタワーは建つだろうが、それを細い帯にしていくという、前人未踏の英知が今後、求められるからである。
(とりあえず、終わり)