ミレーとマルクスは1歳違い。で、わかりやすい「資本論」を観る
- Day:2009.06.30 00:10
- Cat:アート
この絵画は、ただの農村の風景を描いた絵ではなく、現代風に言えば「格差社会」を描いている。遠くに土地所有者の家屋、馬に乗る監督者、豊かな収穫物が見える。そして、近くには、刈り入れが終わった後の麦の穂を拾う、3人の貧しい農婦が描かれている。
遠景と近景、絵の構図でいえば、上下で、貧富の差を表現しているように見える。
ミレーは、自分の絵画を政治的に解釈されることを好まなかったらしいが、当時の社会構造がビジュアル化されていることは、隠しようのない「落穂拾い」だ。
こういうところが、歴史のおもしろいところだが、ミレーの1歳違いの人物にマルクスがいる。
マルクスはドイツの思想家であり哲学者であり経済学者、そして何よりも、社会主義(共産主義)の創始者、革命家だった。
ミレー Jean-Francois Millet(1814~1875)
カール・マルクス Karl Heinlich Marx(1813~1883)
だから、予備知識としてマルクスのことを知っておくと、19世紀のヨーロッパが、もっとわかりやすくなる。
しかし、今さらマルクスの「資本論」を読みなさいとは言えない。
難しすぎる。
なんたって、真説が俗説かどうかは知らないが、マルクスは「資本論」が発禁処分にならないために、審査官がいやになるくらいに長くて、難解な文章を書いた、との話もあるくらいだ。
だが、この「資本論」をわかりやすく紹介してくれるテレビ番組があり、それがYouTubeにアップされているので、ここに紹介する。
フジテレビの深夜番組で「お厚いのがお好き?」という、知的エンタテインメント番組があった。
「カノッサの屈辱」と同じ、小山薫堂さんの構成による。
全部で4編あり、すべて観るとかなり時間がかかるが、書物の「資本論」を読むのに比べたら、はるかに時間は短くてすむ。ぜひ、ご覧いただきたい。