『民主くんダッシュ!』よ、これでいいのか!
- Day:2009.07.29 00:34
- Cat:政治
マニフェストはmanifestと書くと英語だが、manifestoと書くとイタリア語になる。
ミラノ(Milano)や、エスプレッソ (espresso)と同じで、英語っぽくなく日本語のように、最後の母音の“o”を強く発音するとイタリア人に通じやすくなるのだろう。
……という、あまり根拠のない私のイタリア語の話が、今日の本題ではない。
民主党のモバイルサイトで配信されている携帯電話用ゲーム『民主くんダッシュ!』が、かなりマズイので、ご指摘、ご忠告申し上げたかった。これでいいのか! なのである。
『民主くんダッシュ!』は、ボタンを連打し、主人公・民主くんを走らせ制限時間内に官邸を目指す、という単純なゲームだ。
企画としては、平凡きわまりない内容。
だが、無料で遊べるお手軽ゲーム、企画について、とやかく言うのはやめよう。
問題なのは、ゲーム進行のつじつまがあっていないことだ。
『民主くんダッシュ!』は、首相官邸を目指す、政権交代ケータイゲームである。
ところが、このゲームをやっていると、途中で「政権交代」というアイテムをゲットできてしまう。
しかも、時間内に2回もアイテムをゲットできるのだ。
ということは、である。
現在の自民・公明政権の政権交代をしたあとに、もう、一度政権交代をしたら政権は元に戻ってしまうことになる。つまり政権交代していない! 「政権交代ケータイゲーム」をつくろうとしているのに、この設計はないだろう。
だいたいが、途中で政権交代をしたあとに、ゴールが首相官邸というのもおかしな話だ。
途中でゲットできるアイテムは、「選挙勝利」と「首班指名」であって、ゴールが首相官邸というのらば、筋が通っている。
政治を知らないがゲームをつくれる人。
ゲームをつくれるが政治を知らない人。
この危ないコンビが、プロデューサー不在でつくってしまった様子が見え隠れする。
さらに、細かいことを言う。
上から落ちてくる爆弾の爆発エフェクト表示時に、民主くんが接触するとダメージを受けるのはいただけない。
トゲトゲの爆弾に当たらないようにすることは、このゲームの重要な要素だ。
プレイヤーは、なんとか自分に当たらないように立ち止まって避けた。
その瞬間は、快感を与える時間帯にすべきであって、爆発時にダメージを与えてどうする?
これは携帯電話の機種による仕様かもしれないが、私はかなり気になった。
今からでも遅くない、「政権交代」というアイテム名を変えること、そして爆発エフェクト表示時の当たり判定をなくすか、極力ダメージを与える時間を短くすること。投票日までに修正したほうがいいだろう。
いや、きっと驚くほどの低予算・短納期でつくったに違いない『民主くんダッシュ!』は無用の長物かもしれない。政治とゲームの両方を軽く見ているように思える。本来の目的をまったく果たしていない。