Hisakazu Hirabayashi * Official Blogシンボルとしてのイチロー、己の切なさよ、そしてジェラシー

シンボルとしてのイチロー、己の切なさよ、そしてジェラシー

今日は“私”の番である。

昨日、突然登場した“僕”は、シアトル・マリナーズと任天堂が結びつく経緯について、詳しかったけど、“私”はあえて素人っぽい……つまり今どきの言い方をすると、ユーザー目線で語りたい。

ユーザーは、ゴートン上院議員やザ・ベースボール・クラブ・オブ・シアトルについては知らないし、関心もない。シアトル・マリナーズは任天堂のものではないか? と思っているのではないだろうか。単純に。

NHKでマリナーズの中継を観戦していると、バックネットには、NINTENDOの社名が映ることがある。日本語で「任天堂」と映ることもある。

それに、シアトル・マリナーズの本拠地、セーフコ・フィールドではニンテンドーDSを使ったデータ配信サービスを行っている。





“私”は昨日の“僕”の意見をよく理解したつもりだ。
過去の経緯と現在のこともわかった。
そして、説明の過程で語られていた、山内溥前社長の篤志家精神には敬意を表したい。

でも、時は過ぎた。
時代は変わって21世紀になった。
任天堂はかれこれ17年前に出来事の、目では見えない何かに縛られている気がしてならないのだ。

絶対にそんなソフトを任天堂がつくるわけがない。
「イチローのWiiベースボール」とか、「イチロー監修 Wii Fit」とか。

これは“私”の憶測だけど、イチローが登場するゲーム案などは、冗談でも言ってはいけないような雰囲気を感じる。昨日の“僕”が語っていた経緯が、絶対におかすことができない不文律になっていて。

さらに私は、特別な環境にいる。
東急東横線・渋谷駅を毎日のように利用する。

すると、「イチローはなぜ、同じ毎日を繰り返しているのに未来を作れるのか。確かな一歩の積み重ねでしか、遠くへ行けない」というポスターを何枚も何枚も見ることになるのだ。NTT東日本の広告。大キャンペーンをやっている。

今年の夏。
テレビCMも含めてイチローはNTTの、まさに広告の顔になっている。

NTTグループ。
NTT東日本。
NTT西日本。

NTTはなぜこの時期にイチローを使ったキャンペーンを展開したのかといえば、「大リーグ通算2000安打達成」「9年連続、200安打の大リーグ記録更新」を見越してのことだろう。

イチローは偉大なアスリートだが、2009年9月、その偉大さに世間のスポットライトは、眩しく当たり、輝きを増すことは、ほぼ確約されている。

で、話は変わるが……というか脱線していた話を元に戻すが、今年のゲーム業界は家庭用ゲーム機の値下げ合戦が起きた。新型モデルのプレイステーション3は、ついに3万円を切る価格となり、Xbox360もそれと呼応するように最上位モデルを1万円値下げした。

そんな時に、どんな手を打つのだろう? 任天堂?
と注視していたら、以前にご紹介したWiiの公式サイトでの岩田聡社長の動画を使っての会見を観ることになった。

この会見の要旨は何だろう?
冒頭に前置きとしてWiiの間のことが語られ、インターネットチャンネル無償化が語られ、手助けマイスターサービスの実施について語られていた。

つまるところ、Wiiをインターネットに接続する利用者をさらに増やす、ことが任天堂の次の狙いのようだ。

この戦略はきっと正しい。
だが、岩田社長ご自身で「ちょっと専門的な話になりますが……」と断ってはいるが、「今回の最も大きな変化はAdobe Flash Lite 3に改訂、今まではFlash7までしか対応していませんでしたが、Flash8相当でも対応するようになりました」と語られた時、ゾクッとするような、かつてなかった寒気を感じたのだ。話が細部に入りすぎている、と思った。ソーシャルなメッセージになっていない。

そして、よりによってである。
Wiiをインターネット接続するためのパートナーは、岩田社長の言葉のまま表現すると「任天堂と協業してきた」のは、NTT東日本とNTT西日本というのが、なんとも皮肉に思えてならなかった“私”である。

NTTの視野は広い、タイミングもよく読んでいる。
まもなくアメリカで起きるであろう画期的な出来事を意識して、イチローをキャンペーンの顔にした。

だが、そのイチローの所属球団のオーナーたる企業が、なぜAdobe Flash Lite 3の話をしなくてはいけないのか。“私”はなんとも言えない窮屈さを感じたのである。

個人的なことを申し上げると“私”はイチローの大ファンである。
そして、Wiiであれ、プレイステーション3であれ、Xbox360であれ、くどいほど言ってきたが閉じないで、ゲーム業界が今一度、社会に開かれてほしいと願う“私”である。

愛するイチローがNTTに奪われて、任天堂は無縁であるかのように振る舞わなくてはいけないこの現状に、ジェラシーを感じているのかもしれない。

そして、マジメすぎるほどマジメに、正直すぎるほど正直に語る岩田社長を観ていると、もう書いてしまったことだけど、「Adobe Flash Lite 3に改訂」なんてところにツッコミを入れている自分が切なく思えてくる。

それが、このディケード(10年間)、ゲーム業界の最大の功労者に向かって吐く言葉なのかと、自分で自分を責めたくなる。

なので、“私”が本当に言いたいことの本質は、イチローではないのである。
任天堂は、山内溥前社長の功績を誇りに思いつつも、非合理的な内向きな不文律を排し、社会を変える意気込みに満ちた、日本企業のお手本であってほしいのだ。

過去と未来を紡ぐ、思考の補助線としてイチローを例にあげてみたかった。

Comment

http://sports.nikkei.co.jp/flash.aspx?n=124399

法人・個人の筋が通った、またすがすがしいコメントだと思います。
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