東京ゲームショウ2009、私の雑感(4)
- Day:2009.09.24 23:42
- Cat:ゲーム
任天堂は本質的に他社を気にしない会社である。
無理しない。
無駄をしない。
真似をしない。
「遊び」(時に「娯楽」と表現する)の産業は、他の産業と同じやり方をやってもダメなのです。
山内溥前社長は、このようなことを講演で、インタビューで答えられたのを、私は何度も聴いてきた。そして、この企業哲学は現・岩田社長になっても根底の部分で、脈々と引き継がれており、その成果として、ニンテンドーDSとWiiという、とてつもない成功をつかんだ。
私は任天堂は、ゲーム業界で勝利したのではなく、独自の任天堂業界を創造したと何度も言ってきた。そして、岩田社長も血みどろの消耗戦のような戦いではなく、誰も開拓していないブルーオーシャンを目指すことを、しばしばご発言なさってきた。
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プレイステーション3とXbox360が値下げしたら、Wiiも値下げ。
これでは、レッドオーシャン=血みどろの戦いのはじまりではないか?
値下げというカードはいつでも切れるのに、今、それを使ってよかったのか?
疑問に思った。
そして、東京ゲームショウに出展せず、SCEの平井社長の基調講演開始の時間に発表するというのは……急に古くさいことを言うが、仁義を欠くようで、その報を聴いて、あまりよい心地はしなかった。
(つづく)