Hisakazu Hirabayashi * Official Blog東京ゲームショウ2009、私の雑感(6) -まとめ-

東京ゲームショウ2009、私の雑感(6) -まとめ-

話はグッと戻って、東京ゲームショウ2009、今のところの私の感想、まとめである。
ビッグニュースは幕張メッセの外にあった。
それは任天堂の発表だった。
もしかしたら、このニュースの発生地点はアメリカかもしれない。
こんなことを書き綴ってきた。

で、この一連の動向のなかで、誰が一番得をしたかというと、SCEであり、プレイステーション3ではないだろうか、という仮説を立てている。

東京ゲームショウ以前、プレイステーション3は、ヒドイ言い方をすれば、くすぶっていた。なんとなく、そこに黒くて大きなゲーム機があるのだが、世の中に発信されるメッセージは少なかった。

プレイステーション3はXbox360のコンペティターだった。
シェアを奪い合う競争相手だった。
マルチプラットフォームと称して、サードパーティは同じタイトルを開発している。
プレイステーション3とXbox360は、日本の家庭用ゲーム機の2番手と3番手を争う存在だった。

だが、昨日を境にモードは切り替わった。
Wiiのライバルになった。

新型プレイステーション3が世界で実売100万台を3週間で達成。
この実績ができた瞬間にWiiが値下げを発表するということは、プレイステーション3の存在感が、著しく高まったことを意味するのでないだろうか。

振り返ってみれば、ドイツのゲームイベントを使って、お盆明けにあたる8月19日に値下げを発表。9月3日に発売したプレイステーション3。この常識破りのスケジュールが、任天堂のリズムを狂わせたのかもしれない。

もし、東京ゲームショウで値下げを発表していたら。
発売は年末商戦が本格稼働する11月から、としていたならば……任天堂は昨日、Wiiの値下げ発表をしなかっただろう。

任天堂の値下げは世界規模で見れば、大成功の結果となるかもしれない。
プレイステーション3の存在感は高まったが、だからといって、これからもずっと売れ続けるとは限らない。

私は私の考え方によって、プレイステーション3は得をしたと述べているが、現実にはWiiとの価格差は広まった。せっかく縮まったのに、また広まったのだから、結果は有利でもなんでもない。

でも、私は思う。
いや、感じる。
Wiiの値下げは攻めではない。戦いの主導権を握っていない。
プレイステーション3は、発売後3年を経て、遅すぎたスタートダッシュをするのかもしれない。

Comment

PS陣営圧勝な気がしましたが
はじめまして、というか、こちらにははじめてコメントさせていただきます。今回の東京ゲームショー、二日間見てですが、PS陣営の圧勝な感じがしてます。
中堅クラスのタイトルが、非常に充実してきてますよね。MHP2、MHP2Gの大ヒットに触発されたメーカーが、まじめに開発してきたタイトルがようやく出揃ってきた、というのが一点。
PS3タイトルもFF13の発売の前にベヨネッタ、鉄拳6、NINJAGAIDENΣ2といったアクション良作が出揃い、FF13の後には、スターオーシャン、エンドオブエタニティ(2009年冬)などの大作系RPG、3月にはGT5と恐らく龍が如く4といった毎月何か買いたいタイトルが出てくるようなラインナップ。その他にもアサシンクリード2やアンチャーテッド2、ゴッドオブウォー3、モダンウォーフェア2(コールオブデューティー)などの超実力派海外タイトル勢が控えてます。特に海外タイトルの出来の良さは、日本市場での売れ行きは別として特筆ものでした。
WiiとDSのサードパーティータイトルで目立ったものがあまりなかったことがバランス的に一番PS陣営圧勝と感じた要因かもしれませんが・・。
例外というか、特殊なくらいに存在感が引き立っていた二の国やレイトン教授の新シリーズを投入するレベルファイブの勢いは要注目ですが。
任天堂しか売れないから仕方ないよね、という声を複数メーカーの人から聞いたことも、そういった印象につながってるのかもしれません。
普及台数がトップだから、その勝ち組ハードに乗ればというのは、前の世代までのゲーム機では正解だったんですが、今のユーザー動向見てると、今のゲーム市場は全然そうではないことがハッキリしてきてますからね。
PS3の追い上げ、僕も大歓迎ですが、SCEがプロダクト以外のマーケティング施策をうまくやれるかは正直微妙かと。
(買いたくなる、売りたくなる、売れる空気づくり)
あまりこういったところには書けないことですが、気になる点ではあります。(コメントもしづらいですよねw)
そんなこと関係なしで、FF13が一点突破してくれるかもしれませんが。
取りとめのないコメントになってすいません。
ちょっと書き込みたくなったもので。
  • 2009/09/26 00:53
  • マスオ
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  • Edit
来週の会議資料にさせていただいてよろしいでしょうか?
私もいつもblogを楽しみに読ませていただいていましたが、初めてコメントを書きます。

東京ゲームショウについて総括をする会議が来週行われます。
CESAの公式発表や、他の媒体、ネットニュースを見ているのですが、「3つ巴の戦い」とか「任天堂に焦り」とか、もう見飽きたような記事ばかりで鋭さがありません。

以前、平林さんがTwitterで

>ストレート、スキャンダラス、ステレオタイプ。日本のマスメディアの悪しき「3ス」の神器か?

と書かれていたのが好きで、手帳にメモしていたのですが、まさにその通りのことが起きてます。

ただのストレートニュースか、Wiiの苦戦を強調した任天堂叩きか、どこの会社にも嫌われないような当たり障りのない記事か、過去の原因分析や、将来のヒントになることなど、ほとんど書かれていません。

私は東京ゲームショウに行っていましたが、基調講演を聞いてませんでした。申し込み忘れました(笑)

でも、その中で起きていたことがリアルにわかり、そういうふうにものを見るのか、考えるのか、というヒントがこちらのblogが一番参考になりました。

来週の経済誌やゲーム専門誌もあてにならないので、この(1)から(6)までの記事を私なりにまとめさせていただきたいと思います。

無断引用などはしないで、また右のメールフォームからお送りいたしますので、お目通しいただければ幸いです。

勝手なことを申し上げ失礼いたしました。
これからもかんばってください。

Twitterも楽しみにしています。
  • 2009/09/26 23:14
  • ROCKer
  • URL
マスオ様、コメント、ありがとうございます
長くて、思いのこもったコメントをいただき、どうもありがとうございます。マスオ様のお考えに共感するところ大ですが、私の考えをつけ加えさせていただくに、「陣営」という概念は薄れてきているかもしれません。

かつては純粋な陣営でしたね。
関ヶ原の東軍につくか、西軍につくかみたいな。すなわちその陣営が、セガとSECだったり、任天堂とSCEだったり、平面上のわりとわかりやすい陣営=陣取り合戦だったと思います。

ところが昨今、特に今年の東京ゲームショウは陣営とは別次元の戦い、あるいは生き残り策を各社が考えているのが顕著だったように思います。これはブース展示にあらわれない、私の取材の印象であります。

もしや、私の存じ上げる方かと思い、いただいたコメントにまた、コメント返しのようなことをしてしまいました。

失礼申し上げました。
ROCKer様、コメント、ありがとうございます
ROCKer様

>ストレート、スキャンダラス、ステレオタイプ。日本のマスメディアの悪しき「3ス」の神器か?

が好きとおっしゃっていただいただけで私が好きになりそうです。
Twitterの細かいところまで見ていただき、ありがとうございます。

ところで、来週の会議の資料ですか?
それはもう私の手を離れ、公開されている記事ですのでご自由にお使いください。

本来であれば、引用先を明記していただき……なんて言うのでしょうが、言うだけ野暮です。こうして、コメントをくださるということは、良識をもってお使いいただけると信じて疑いません。

ただ、どんな資料をおつくりになったのか、大いに私が関心がございますので、よろしければお送りください。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。
陣営というよりは、アウトプット先ですかね。
確かに、陣営という言葉では現在のゲームプラットホームに関する趨勢をうまくいい得てない感はしますね。自分の言葉が前世代的でしたw。
ユーザーから見ても、ソフトメーカーから見ても陣営という感じではなく、単なるソフト(タイトル)のアウトプット先とでもいうような感じではないでしょうか。
そう言ってしまうと、非常に冷たいというか熱のないビジネスライクなニュアンスを帯びてしまいますが、平林さんの感じられた「生き残り策」ということから考えると、アウトプット先という言葉でいいのかもしれません。
今年は、昨年大規模出展していたEAが、TGS開催前日に都内で実施したプレスカンファレンス「EA SHOWCASE TOKYO 2009」に切り替えたこと。その逆にUBIがTGSにシンプルながら力を入れて出展していたことが、海外勢では印象的でした。

ちなみに、私は平林さんと某C社時代からお世話になっている人物ですよー。今後ともよろしくお願いします
  • 2009/09/28 02:17
  • マスオ
  • URL
  • Edit
二番手と三番手という見方もあるけど
ご無沙汰しております。
TGSは2時間もいられなかったのでほとんど平林さんのフィルターを通して情報を得ています。さすがです。

それはさておき・・
私はWiiの値下げには驚いたけれど、PS3と360が二番三番手を争っていたという部分に違和感があるのです。確かに数の論理ではそうでした。

でもユーザーの心理とか、購買層を見ていると感じるのは知らずの内にではあるけれど、Wiiを遊ぶ層とPS3/360を遊ぶ層は同じゲームという括りではあるけれど、かつてのゲーセンとコンシューマー、あるいはPCとコンシューマーのゲーマーの違いのような元々違う対象向けのものみたいな感じがしていて、同じ土俵に乗っていないのでは?みたいになっている気がします。

(80年代のFC,PCe,MDの時代にも似ているけど、下もそれなりのシェアがあるのが当時とは違うのでこれは割愛します。)

これは今に始まったというより、PS2時代から感じていたことですが、SONYはPS1でコンシューマーゲームビジネスの頂点に立ったと同時に、ゲームの細分化とユーザー層の分断化をしすぎた。その結果、マニアのものにしてしまったことが後の売り上げ不振に繋がったのでは?と思っています。

任天堂はそこでもう一回、ゲームから離れたユーザーを取り込もうとDSとWiiを仕掛け、見事にその狙いは当たったのだけど、逆にそこで息切れした結果、やはりマニア層も取り込まねば・・とPS3や360の領域に浸食しつつある。

それが現状なのでは?と

すると今後どうなるのか?
道を間違えると実は共倒れになるのでは?と危惧しています。

それと私、DSはひょっとしたら任天堂が今までなんとか回避してきたアタリショック日本版を引き起こす可能性が一番高いハードだとも思ってますし・・(考えすぎかもですが)

ゲームショウは相変わらず一般公開日は凄い動員で盛況だったようです。でもその原動力は?というともちろんゲームの力もありますが、ゲームから派生したイベントやグッズ商売による比率が高まっていたのも事実です。

こんなことでいいのかな?と心配です。

私はどこの会社さんでもいいから、Σ( ゚Д゚) スッ、スゲー!!とか((o(´∀`)o))ワクワクするような気持ちにさせてくれるゲームと出会いたいだけなんですけどね。
再びマスオ様、コメント、ありがとうございます
再度のコメントをありがとうございました。
またまた私見を申し上げさせていただきます。
「アウトプット先」というと、今のソフト製作者、ソフト出版社の気分をあらわしている気がします。
そうですか、やはり、存じ上げている……こちらこそよろしくお願い申し上げます。
トトロ。様、コメント、ありがとうございます
鋭いところを突っ込まれました。さすがです。弁解させてください。書くときに迷った箇所です。迷ったあげくにあえて、exaggerateしました。勢いにまかせました。ですので、>同じ土俵に乗っていないのでは?みたいになっている気がします。……のご主旨、よく理解できます。

私が言うのも失礼なお話ですが
>それと私、DSはひょっとしたら任天堂が今までなんとか回避してきたアタリショック日本版を引き起こす可能性が一番高いハードだとも思ってますし・・(考えすぎかもですが)

は、論理的には同じことを考えています。私はこのブログで「覚醒水準の最適化理論」のことを何度か書きました。近年の任天堂の成功は、この考えにピタリとはまったのだと考えています。強すぎたゲームの刺激を緩和するベクトル。FPSではなく野際陽子さんだったわけです。大技がかかった任天堂ハード。ニンテンドーDSとWiiです。しかし、人間の欲望は貪欲で移ろいやすい。「さーて、やはり元のようなゲームをしようか?」という波が反動的に訪れるとしたら、このコントロールを誰も経験したことがない、という点は注目をしております。私も考えすぎかもですが……
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