Hisakazu Hirabayashi * Official Blog死は、あらゆる論理を超越して

死は、あらゆる論理を超越して

  • Day:2009.10.05 19:55
  • Cat:私…
中川昭一氏が急死した。
何か書きたいが故人を知るわけでなし、特別なことを書きようがない。
ただ、ひとつ、強く思うことがある。

「人間味のあるお方で、残念でなりません」とコメントしたのは鳩山首相。
骨肉の後継争いをしたとされる、鈴木宗男・新党大地代表は「まだ56歳。早すぎる。つらいというか悲しいというか、どうしてという思いが去来する。政治の世界は厳しい」と涙を浮かべて語ったという。

香田証生さんという若者がいた。2004年、アルカイダが香田さんを拉致した。この事件をうけて、首相官邸に連絡室を、在ヨルダン大使館に現地対策本部を設置。当時、派兵されていた自衛隊を撤退するか、しないかの議論にまでなった。香田証生さんは、「旅行気分でイラク入りした」とも言われ、いわゆる“自己責任論”が語られ、人質の身でありながらも批判の対象にもなった。しかし、不幸にもテロの対象となり殺害されると、批判は一気に鎮まって、「かわいそうな犠牲者となった」「やさしい好青年だった」と、世論は一変した記憶がある。“自己責任論”はしぼんでいった。

安倍内閣時代に松岡利勝という農水大臣がいた。事務所費の不透明な支出を追求され、「ナントカ還元水」が流行語になるほどだった。また、NPO申請照会についての口利き疑惑、出資法違反問題など、政治家としての複数の疑惑を抱えていた。だが07年5月、衆議院議員宿舎で自殺すると……「立派な政治家だった」というコメントはあまり聞かなかったが、疑惑の追及はピタリと止まった。検察や市民団体は追求を続けていたのかもしれないが、少なくともマスコミで報道されなくなった。

政治家の話が続くが、在任中に大量な赤字国債の発行を決断した小渕恵三元首相は、日本の財政を悪化させた首相であり、私の個人的な意見としては、一見して地味に見えてしまう「小渕政権」であるが、もっと総括されてしかるべき政権だと思っている。また、在任中のことであるが、NTTドコモ株の不正授受をめぐって疑惑追求もされていたはずだ。しかし、脳梗塞により急死をすると、疑惑の話は語られなくなり、もちろん大量の国債発行の是非などは問われず。首相在任中の死ということで、死亡当日の日付で、大勲位菊花大綬章が贈られている。

酩酊会見。
無謀ともいえるイラク入り。
事務所費をめぐる疑惑問題。
株疑惑。

どんな非があろうとも、非を非として合理的に考えない。
死というものは、あらゆる論理を超越している。
そして、「死者に鞭打つ」という行為を、何よりも道徳的でないと考えるのが、日本、日本人の良くも悪くも特性なのではないか。かねがねそう考えていたが、今また、中川昭一氏急死に接して、改めて思うのだ。

他人の話をしているのではない。私自身が酩酊会見の大批判者だったが、改めてこの話を持つ出すことに、自分の心の中で大変な抵抗感がある。私もやはり、死者に鞭打つことをしたくない。道徳観? いや、もっとあけすけに心中を告白すれば、自分がかわいくてしかたない感情が、心の中を支配しているのだ。

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