Hisakazu Hirabayashi * Official Blog通信の秘密は、これを侵してはならない場合とそうでない場合がある

通信の秘密は、これを侵してはならない場合とそうでない場合がある

昨日のエントリーのように、SNSが抱えた矛盾を考えると、悩みはどんどんと深みにはまっていきます。

たとえば
「言論の自由」という概念があります。
「言論の自由」ですから、何を言ってもよいのです。

では、「『言論の自由』なんて許せない、すべての意見は検閲され、都合悪いものは抹殺する」という意見を「言論の自由」はどこまで許すのか、とか。

日本国憲法・第二十一条
一.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
二.検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


電気通信事業法・第四条
一.電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
二.電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。


という法がありながら、


青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、インターネットにおいて青少年有害情報が多く流通している状況にかんがみ、青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得に必要な措置を講ずるとともに、青少年有害情報フィルタリングソフトウェアの性能の向上及び利用の普及その他の青少年がインターネットを利用して青少年有害情報を閲覧する機会をできるだけ少なくするための措置等を講ずることにより、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにして、青少年の権利の擁護に資することを目的とする。


という法もある。
なんですよね。

このように、上位法と下位法が矛盾することは、よくある話。
では、それをどうやって解決していくのかが見えない。

(1)「上位法は下位法に優先する」のか。
(2)「後法は前法に優先する」のか。
(3)「特別法が一般法に優先する」のか。

たぶん、(3)を前提にしているのでしょうが、熟慮の末、泣く泣く(1)を捨てた痕跡はなく、直近の問題に目が向いているようで、現在のSNSの盛り上がりを素直に喜べないのです。

Comment

法学者ではないですが,マジレスで
日本国憲法第十三条はこう規定しています。

「国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」

第二十一条の規程も,第十三条の規程が及んでいます。

「公共の福祉に反する」と立法・行政府が判断すれば,一定の制限が正当化されます。

さらに「最大の尊重」ですから,「権力者は人権を絶対に守らなければならない」としているわけではありません。
  • 2009/10/24 12:58
  • redtail2733
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  • Edit
redtail2733さん、マジレス、ありがとうございます
なるほど、上位法の憲法の中でも規定の相違があると。
はい。よくわかりました。学生の生返事ではなく、助けていただいた気分です。

私もマジレスでコメントさせていただくと、redtail2733さんがお書きになっていた日本型SNSのガラパゴス化。その追随者たちもいますね。でも、周囲はリスク(上記、秘密の保持以外にも)を鑑みずに過大評価。かつて「全力疾走する重病人」と書いた男としては、いつか来た道……に見えてのエントリーでございました。
それは違うでしょう
憲法は絶対です。立憲主義から考えてもそうであり、前文には「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」と明記されています。

そもそも憲法とは、国家権力を制限するためのものです。
それを政府は「公共の福祉」という言葉に、拡大につぐ拡大解釈を繰り返し、自らに都合の良い人権侵害の根拠に利用しているにすぎません。
確かに立憲主義というものは理想主義的かもしれませんが、政府の人権侵害を国民が認容してどうするのですか。
進んで奴隷になりたいとしか思えません。
  • 2009/11/08 21:19
  • 護憲
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