Hisakazu Hirabayashi * Official Blog順位が好きなスーパーコンピュータ業界って

順位が好きなスーパーコンピュータ業界って

  • Day:2009.11.16 00:00
  • Cat:政治
今、話題の事業仕分けにおいて、次世代スーパーコンピュータの技術開発のための概算要求額267億円が凍結された。

事業仕分けの考え方・やり方には、いくつもの異論があるが、この凍結だけを切りとれば賛成だ。
スーパーコンピュータは、世界一が日本に1台あるよりも、順位は下位でもいいから、十分にスーパーなコンピュータを、より多くの企業・研究所・大学等に普及しているほうが、この国の科学技術も、産業も、学問も、栄えると考えるからだ。費用対効果を考えたら、267億円ではすまない……総額でいくらかかるかわからないハードウェアに、一極集中するよりも、分散させたほうが効率はいいはず。

ハードウェアだけ、演算速度だけを取り上げて、世界一を目指すというのは、大艦巨砲主義で戦艦大和を建造するみたいな話だと思う。ところが、スーパーコンピュータ業界では、なぜか1位、2位、3位と順位にこだわる体質がある。

世界のスーパーコンピュータのTOP500は毎年6月に定期的に発表されている。

さらに、その内訳を見ると、日本のシェアは表の通り。右欄ではUnited Statesの下にJapanがありながら、1993年から見ると日本のシェアは下がりまくっている。この表を見て、妙なプライドが捨てきれず、国家の威信とかを賭けてしまったりすると、少数の技術者が「スーパーコンピュータで世界一を!」と言いたくなる気持ちはわかる。でも、それは狭い範囲の威信だ。

ところで、スーパーコンピュータって何? と訊かれることがあるが、家庭のパソコンと根本は変わらない。コンピュータ=電子計算機以外の何物でもない。ただし、家庭のパソコンは、10万円以下とか、B5サイズとか……制約がいっぱいある。ところがスーパーコンピュータには制約がない。ただ高性能であること求めたコンピュータだ。だから、スーパーコンピュータは、金に糸目をつけないで開発することに、その存在理由がある。

そして、スーパーコンピュータがあると何ができるのか? という素朴な質問をされることがあるが、多くの場合、大量な計算を要するシミュレーションに利用する。実際に行なうことができない、たとえば5年後の地球の気温は何度上昇しているか? のような。

あとは、巨費がかかる実験をシミュレーションですますこともできる。たとえば、自動車が衝突したらどのように破壊されるのか? クルマを何台も購入して、人間が運転したら、危険で、時間がかかって、お金もかかる。ところが、これが計算でわかれば効率がいい。

何か良いサンプルはないかな、と思ったら、こんな動画があった。
すさまじい実験のようだが、この程度のシミュレーションは世界500位に入らないスーパーコンピュータでもできるだろう。



ちょっと待てよ。
この実験をやっているのは、財団法人・日本自動車研究所だ。
なんで、こんな実験をやっているのだろう。

「財団法人・日本自動車研究所には天下りの理事が何名いますか?」
「その理事たちの在任期間と報酬は?」


……この実験をしている団体に、もし補助金が使われているとしたら、事業仕分けが必要な気になってきた。
うー、いけない。
話は堂々めぐりだ。

Comment

Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
株主優待
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。