今年を忘れる会はしない
- Day:2009.12.14 00:06
- Cat:想ったこと
今週は忘年会が多い。
ヘンな日本語と英語の組み合わせだと思うが、こういう状態を皆、「忘年会ラッシュ」という。
私の場合、どれくらいラッシュかというと、ランチ忘年会というのが2回あって、夜に忘年会、昼に忘年会、そのまた夜に忘年会という予定が2回組まれている。
そのすべての忘年会が、和気藹々とビンゴ大会やクイズ大会をやるようなものではなく、ちょっとした勉強会、研究会をかねたような、お堅い忘年会になりそうだ。
でも、苦ではない。
私はドンチャン騒ぎする飲み会よりも、知的好奇心が刺激される会合が好きだからだ。
楽しもう。
これらの忘年会で、共通して話題になりそうなのが「イノベーションのジレンマ」というテーマだ、ということに先週、ある方の講演を聴かせていただいて気づいた。
安易に引用してしまう。
Wikipediaよりイノベーションのジレンマ(英語:Innovator's Dilemma)とは、優れた特色を持つ商品を売る巨大企業が、その特色を改良する事のみに目を奪われ、顧客の別の需要に目が届かず、その商品より劣るが新たな特色を持つ商品を売り出し始めた新興企業の前に力を失う理由を説明したマーケティングの理論。
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たとえばの話であるが、アメリカ最大のゲームソフト会社、エレクトロニック・アーツ(Electronic Arts)のCEOであるリキテロ氏は「Wiiには進化が必要だ」とEdge Onlineで語っている。それを簡単に日本語訳するとこんな感じになる。
つまり、EAが任天堂に求めていることは、ある種の「イノベーションのジレンマ」ともいえる。「そうはならないようにしよう」と決めたか、決めていないかは知らないが、今、任天堂のWiiは『Newスーパーマリオブラザーズwii』が100万本以上売れるという、原点回帰したソフトが出て再評価されている。
しかし、その『Newスーパーマリオブラザーズwii』は、2D=平面的な昔ながらのスーパーマリオを復活させただけのようだが、ソフトの内容については、「優れた特色を持つ商品を売る巨大企業が、その特色を改良する」の極みのような工夫が凝らされている。なので、最高傑作であると同時に、他のソフト開発者が「このゲームにはかなわない」と思わせてしまう、別の意味でのジレンマを抱え込んでいる、とも考えられるのだ。
何が言いたいのか。
特にまとまっていないが、ゲーム業界もそうでない業界も、来年はいろいろな業界が節目の年になるだろう。来年は節目で、再来年が節目の後の「本番」だ。そのためには、今一度、進化(イノベーション)とは何か? を考えなくてはいけない。そんなことを語り、考える1週間のはじまりなのである。今年を忘れる会ではない。来年を考える会にしたい。
あ、今、私は来年は節目で、再来年が節目の後の「本番」と言った。
だから、今年を代表する漢字が「新」というのは、あまりピンと来ていないのだ。
来年は「節」。
再来年が「新」。
……と心の中では、そう思っている。
忘年会でお会いする皆さん、この続きはお目にかかったときに。
よろしくお願いします。