Hisakazu Hirabayashi * Official Blogtorne(トルネ)をめぐる雑感集

torne(トルネ)をめぐる雑感集

■2chの視聴率
任天堂のファミリーコンピュータは、テレビのアンテナ端子に接続するゲーム機だったね。日本全国、どの地域でも1chと2chは空きチャンネルになっているから、そのどちらかを選択できるようになっていたね。ファミコンブームが起きたため、テレビ関係者はあわてたね。また、当時はビデオデッキの普及期でもあった。というわけで、テレビ番組を見る時間が減って、(関東地区の場合)「2chの視聴率が上がった」と言われた80年代だったね。

■ゲーム機戦争
ファミリーコンピュータが市場を独占する時代が終わると、ゲーム機戦争なるものがはじまった。ゲーム機戦争とは、別の見方をすればテレビに接続する機器はどれにする戦争? でもあったね。黄色・赤・白のケーブルを接続するテレビの入力端子は、ビデオ1、ビデオ2、ビデオ3。この空き端子を狙っていた90年代。2chを奪っていたゲーム機が、いつの間にか立場が変わってしまった印象を持ったね。

■こんな感情が……
つまり、ゲーム機がすごいのすごくないのと言っても、所詮(しょせん)はテレビの下にぶら下がる接続機器に過ぎないのか。ゲーム機に肩入れしている私は、おもしろくない感情に支配されたね。なんだか、ゲーム機がテレビの僕(しもべ)になってしまったような気がしたね。

■テレビとインターネット
インターネットが流行すると、家電メーカーは「インターネットテレビ」と称し、テレビ受像機にネット接続機能をつけた製品を出したね。でも、どのメーカーの製品もヒットしなかったね。まだ、ダイヤルアップ接続の時代だった。しかも、少ない本数の走査線をチカチカさせるブラウン管方式のテレビでは、WEBサイトが見にくくてしかたなかったね。

■そういえば……当時
マイクロソフトが「WebTV」なんて言ってたけれど、「まだ早い」という印象を持ったね。セガのドリームキャストも勝負に出た。思い切って本体にモデムを内蔵させたけど、これも「まだ早い」と思ったね。

■プレイステーションの我慢
ところが、周囲のゲーム機や家電メーカーが、インターネット狂想曲を歌っているときに、最もそういうことをしてもよさそうなはずのプレイステーションは、CD-ROMのパッケージソフト販売の一本だったね。踊らされない、場が見えている、と思ったね。では、プレイステーションはただ守りに入っていたかというと、そうではなかった。プレイステーションが採用したCD-ROMというメディアは「読み込み速度が遅い」と悲観視する意見だらけだったね。当時は。現実に任天堂のロムカートリッジに慣れている人が操作したら、起動が遅いったらありゃしない。過去にもCD-ROMを使ったゲーム機はあったが、勝利した者はいない。でも、ハンディキャップをくつがえしたのがプレイステーションだったんだね。

■プレイステーション2への期待
そのプレイステーション2が、前述のエントリーで述べたように、満を持してネットワーク構想を打ちだした。それまで「インターネットテレビ」やゲーム機のインターネット接続は普及しなかったけど、プレイステーション2ならば、なんとかしてくるだろうという期待があったね。日本国内におけるゲームソフトの売上は97年、98年あたりがピークになって下降段階に入りそうだった。当時、私は従来型のゲームソフトの将来性に不安を感じていて、そのブレイクスルーになってくれることを望んでいたね。

■プレイステーション2への落胆
でも、ビジョンは素晴らしいのだが、まわりが整っていない。サービス、インフラ、もっと言うと、プレイステーションが発売される時に感じた、社員が一丸となって革命を起こすぞ……のようなエネルギーが、プレイステーション2の時には、社内からあまり伝わってこなかった。これは大いなる問題だ。だが、問題にならなかったね。なぜなら、プレイステーション2はゲーム機として売れたから。しかも、発売日の最初の週末で100万台売れるほどの大成功だ。企業の成長は問題を隠すものなのだ。でも……ああ、これでプレイステーション2は、普通のゲーム機になっていく……という、一抹の寂しさを感じたね。

■別の策としてのニンテンドーDS
プレイステーション2はよく売れた。海外市場でも売れまくったね。でも、私の予測は当たって、国内ゲームソフト市場は落ち込んでいったね。プレイステーション2は、本当にプレイステーション2で、プレイステーションの延長線上にあるゲーム機で、革新的な製品にはなれなかった。プレイステーション2はプレイステーションの改良品だった。なんか、閉塞感があってね。このもどかしさみたいなものを、まったく別の角度から解決しようとしたのが、ニンテンドーDSだと思うね。

■Wiiにも続く
ニンテンドーDSという、インターフェイスの革新が成功したら、今度は据置型ゲーム機でもそれをやったのが、Wiiだと思うね。

■プレイステーション3はプレイステーション2
プレイステーション3は、確かにSuper Computer for Computer Entertainmentをコンセプトとして発表された。これも、プレイステーション2同様に、素晴らしいビジョンだと思った。だけど、その構想を実現するためには、いかに困難かも同時にわかったね。期待したい。でも、プレイステーション3が、普通のゲーム機になってしまうことを感じていたね。プレイステーション2の時と同じで、他の環境が追いついていなかった。プレイステーション3はソフト開発費が高いゲーム機と受け取られていたからね。

■体感ゲームの二の矢としての『Wiiの間』
体感インターフェイスは、一見すると楽しそうだけど、飽きやすいという弱点を持っていることを知っている任天堂は、『Wiiの間』という次の手を打った。インターネットを使ったオリジナル番組の配信をはじめたわけだが、けっして盛り上がっているとはいえないよね。むしろ、昨年の12月には『New スーパーマリオブラザーズWii』が爆発的にヒットした。従来型テレビゲーム→体感ゲーム→インターネットによる番組配信という、いかにも論理的整合性を持った革新の道筋が正解なのではなく、時にマーケットは原点回帰を好む、という気まぐれな面を見せているね。私が思うに、今の任天堂は成功しながら戸惑っている気分かもしれないね。

■出遅れを巻き返す第3のカード
プレイステーション3、ゲーム機としてのプレイステーション3は、昨秋の値下げから弾みがついたね。さらに、年末には『ファイナルファンタジーⅩⅢ』も出て販売は好調だった。ところが、「値下げ」「FF」というカードを使ってしまって迎えた2010年、春。次のカードは何があるんだろう? と不安視していたところにトルネだ。トルネの仕様について不満をもつ人、そもそもプレイステーション3はゲーム機のままであるべきと考える人がいるのはわかる。わかるけど、SCEがトルネのことをうまく扱えば、単なる地デジチューナー&レコーダーではない道が開けることを期待するね。

■うまく扱えば?
……うまく扱えばとは、英語でいうとManagementだね。どうにかするための総合力だね。プレイステーション2も、プレイステーション3も、ビジョンが先行していた気がするからね。トルネのManagementがうまくいけば、家電品とも違う、ゲーム機とも違う、その中間を行く、コンピュータ・エンタテインメントが生まれてくれることを信じたいね。じつは、どうすればいいか、私の頭の中には構想がばっちりあるね。しかもそのことは、現時点ではどこの報道にも、ブログにも書かれていない。言うのがもったいないから、ここでは書かないね。でも、世の中にオープンになった情報のある点に注目すれば、トルネはおもしろいことができると思うね。

■最後に
今、私はコンテンツの話とメディアの話を切り分けることに凝っているね。たとえば、私の母親は「最近のテレビはつまらないねぇ」などと言う。これはテレビ番組というコンテンツのことを指しているのか、テレビジョンというメディアのことを指しているのか。分解して考えると、思わぬものが見えてくることがあるね。

以上が、トルネに関する他愛もない思いつくままの感想だね。お気づきだと思うけど、トルネだから、語尾に「ね」が多いね。

Comment

はじめまして。
各家庭で録画した番組をネットワークで共有したら、、、

著作権違反ですね。
  • 2010/01/19 11:56
  • miya
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そういった何か新しいことをしようとすると全部「著作権」で止まってしまうのがバカバカしいところですね。もちろん正当な対価を支払った上でですが、もっと使いやすいシステムにしないと、全部GoogleとAppleとAmazonにもって行かれちゃいますよね。
結局、どこの組織でもそうですが、状況の変化を解ろうともせずに既得権益にしがみつく老人どものせいで、何もかも手遅れになっていくというこの国の絶望的な状況は変わりそうにないですね。
  • 2010/01/19 23:47
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