Hisakazu Hirabayashi * Official Blog「働く」ことについて真剣に、就活は気軽に

「働く」ことについて真剣に、就活は気軽に

  • Day:2010.01.26 00:01
  • Cat:教育
昨日のエントリーの通り、最終授業が終わった。
「後ろ髪を引かれる」とはよく言ったもので、授業が終わったあとも、教室から磁力でカラダが引きよせられるような気がした。午前の授業でも、午後の授業でも、プレゼントがあった。午前は、とある学生のお母様がつくってくださった、ケーキをいただいた。午後は、週末に東京ディズニーランドに行った学生から、5種類のキャラクターが入ったキャンディーのセットをいただいた。どちらも男子学生で、照れくさそうに渡すから、私も照れてしまい、感謝の言葉も短くて、素っ気なかった。だけど、心の中では大喜びだったことは言うまでもない。

私はゲームづくりをしたい学生や、CG(コンピュータ・グラフィックス)をつくりたい学生と接してきた。そのための基礎知識を約1年間、まとめて語っているのだが、それは表面上のことで、本当に伝えたいのは「働く」ことを「学ぶ」ことだ。昨日はそんな話を存分に語ることができた。

今、日本に住んでいる生徒・学生は、学ぶことは山ほどある。
小学生のころから、文字を覚え、計算を覚え、宿題を出されて、いろんなことを暗記して。そのためには、塾に通って、予備校にも行って。場合によっては家庭教師についてもらって、通信教育も受けて。試験を何度も受けて進学して。そして、単位を取得して、学ぶ期間=学生生活を終えていく。この苦労は並大抵のことではない。こんなにも長い道を通ってきたのに、最後に待っているのは、就活なるものだ。

私、ならびにこの道を通って来たオトナたちから見れば、当たり前のことかもしれないが、学ぶ期間も最後になったころの若者の立場になって考えてみる。とすれば、理不尽だなと思うのが自然なのではないだろうか。

どんなに英語がスラスラ読めても、コンピュータのプログラムがうまくても、「エントリーシートの書き方」や「面接で落ちないための応答のしかた」などの、マニュアルを読まなくてはいけない。染めた髪の黒を戻し、スーツは紺にする。ようは、みんな同じ色になれと言われているかのようだ。それが、学生生活のゴールなのかと思ってしまうと、社会に向けてバカヤローと言いたくなる気持ちはわかる。

あるいは、最初から反発したく気持ちもわかる。みんなと同じ色になるのはいやだ。就職活動をやめ「好きなことをしたい」と言って、学生たちはフリーターになる道を選ぶ。

将来 絶望 中学生
将来 絶望 高校生
将来 絶望 大学生

こんな時代だから、私は学生諸氏の持っている職業観とは違うボールを投げかけている。

私は、自分の人生は就活ごときでは決まらないと言った。
私は、就活は恐怖の関門ではなく、自分を試す良い手段と言った。
私は、就活はマニュアルを読むから、するのが嫌になると言った。
私は、そもそも「働く」ことの意味を考えてもらった。
私は、「働く」ことについて真剣に考えてほしいが、就活は気軽に考えてほしいと伝えたかった。

将来は不安だ。
世の中には希望があふれている、なんて浮ついたことは言わない。
私だって、不安だらけだ。明日の打ち合わせが不安だ。今週の締め切りが不安だ。
でも、絶望まですることはないだろう。

小説家、遠藤周作は「どうして小説を書くのか?」とインタビューされたとき、「楽苦しいから」と答えたという。
たのくるしいと読む……なんて話をしたの、覚えてくれているかなぁ。働くことに、絶対楽しいこともないし、絶対苦しいこともないと思うのだ。楽しさには苦しさが、苦しさには楽しさがつきまとう。


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  • 2010/01/26 20:16
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  • 2010/01/28 02:47
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