Hisakazu Hirabayashi * Official Blogあらゆるものが"ゲーム化"する未来、その後の白熱

あらゆるものが"ゲーム化"する未来、その後の白熱

公開されました。

あらゆるものが"ゲーム化"する未来を考える・平林久和「ゲームの未来を語る」第6回
http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2453


前回は父と子の会話でしたが、今回は空想ニュースの見立てにしました。
まじめに未来予想をすると、説明っぽくなる。

パロディ?
パスティーシュ?

学生時代、小林信彦、筒井康隆、清水義範を一生懸命に読んだ頃を思い出してクスっと笑える構成にしてみました。

そんなことをTwitterで書いたら……私の授業を受けてくれていた優秀な卒業生M君から。


笑いを取るつもりと仰っていますが、読んで「なるほど、こうすればいいのか!」と衝撃を受けました。

と、気をつかってくれたツイートが。
最近では知恵ももらっている元教え子なので、私は真剣に語ってしまいました。
以下、ご紹介します。


そんなに持ち上げてくれなくてもいいよ。でも、ちょっとまじめに語るよ。


オレの話だから、さかのぼるよ。任天堂は、ファミリーコンピュータ本体発売年に『ポパイの英語遊び』を発売した。




ファミリーベーシックもあった。つまり、ファミコンを教育に使うという志しは、昔からあったんだ。細かいところで言えば、『チャンピオンシップ・ロードランナー』や『エキサイトバイク』には、コンストラクションモードがあって、遊ぶだけではない、つくる楽しみも提供する風土があった。


ナムコはポリゴンで動くドライビングゲームをつくったら、自動車メーカーのマツダと組んで、「ユーノス・ロードスター」の操作感を体験できるようにした。ボディはマツダ、スクリーンはナムコがつくって、実際のカーディーラーに置いたんだ。


ちなみにナムコは、エンタテインメント性のある介護施設をつくったこともあるよ。


ソニー・コンピュータエンタテインメントが発足した直後にね。ソフトを開発するセクションに0課というのがあった。数字のゼロ。これは何をするところかと言うと、従来型のゲームをつくらない課。部署名からして腹が座っていた。名前を聞いただけでワクワクした。


ハドソンが万歩計をつくって、ヒットしたのは知ってるよね。『てくてくエンジェル』。価格COMでは、プレミアがついているのもある。


「エンジョイント宣言」って知ってるかな。これは80年代の後期に、セガがアミューズメント施設を複合店化させていく時のスローガン。ゲームセンターだけではなく、ショッピングセンター、飲食と提携出店していった。


つくば万博っていうのが、85年にあったんだけど、ナムコはそこにNAMCOのロボットバンド・PICPACを登場させた。




つまり、ゲーム会社は、みんな外を向いていた。任天堂はサテラビュー、バンダイはピピンで失敗しても、閉じてなかったよ。


「儲かっていて、余裕があったから」で説明することができそうだけど、逆かもしれない。ゲームは外に飛び出さなきゃ、という危機意識は、儲かっていた頃のほうが強かったように思う。


ところがこの10年は、外を向いているようで内向きだったのではないか。シナジーと言いながら経営統合し、日本市場が厳しければ海外市場という。規模の経済学&輸出による市場開拓。つまり、当たり前すぎて、創発的ではないんだな。


だから授業でオレが言い続けてきたことは、茹でガエルの話だ。ゲームをやってきた人間は、長年、同じ湯につかって温度が変わってもその変化に気づいていない。良くない意味で、慣れてしまったんだね。


オレの師匠に当たる人は、この状態を「いらない経験値」と言った。また、スポーツにたとえて「強化された悪癖」とも言った。


たまにゲーム会社の研修で、「茹でガエル」の話をすると、膝を叩いて喜んでくれる人が多くて3割。「何、言ってるんだか」という反応の人が7割。それが実感値。


だからさー、俺は斬新なことを考えたわけでもなんでもなくて、『ポパイの英語遊び』、エンジョイント宣言、サテラビュー、0課の記憶を呼び覚ましてほしいという願いを込めて、あの原稿を書いたわけ。


じゃあ、今ね。ああ、もう閉幕したか。まあ、いいや。上海万博に何か出展しよう、なんて、どこのゲーム会社も考えてなさそうでしょ。それがなんだか、退化しているようで悲しいんだ。


昔は良かった、というノスタルジーではないよ。ただ事実として、ゲーム業界はもっと外を向いていた。


組織に「渉外」という部署や行為があるよね。ゲーム業界をひとつの組織に見立てると、「渉外」の力がこれから本当に試されるときだと思う。


時代は変わっている。だから、ゲーム業界全体が景気悪い、いやいや、業界全体が持ち直した‥‥ということはないだろうね。護送船団方式ではない。新しい「ゲームの時代」に乗れば時代を切り拓く会社もあるだろし、退場を余儀なくされる会社もあるだろう。ふるいにかけられる時。


富士フィルムという企業の業績見てよ。フィルムなんかで儲けていないよ。光学デバイス、医療、高機能性材料、印刷、記録メディアライフ、サイエンス、産業用機材の会社になった。でも、どれもフィルムをつくる技術がベースになっている。


かたや、緑の富士フィルムに対抗した小西六こと、サクラカラーはどうなったか。100プリントと言いつつ、100年続かなかった。現在はコニカミノルタホールディングスに吸収されたかっこうになっていると思うけど、事実上、消滅したと言ってもいいだろう。




ゲーム会社、そこで働く人は全体で上がったり、下がったりしない。サクラカラーになるか、富士フィルムになるか、の岐路がやってきていると思う。

このあたりで@付きのメッセージが60件くらい入ります。





(沈黙)







うーん、考え込んでいる。軽はずみできれい事、いいたくないから。


本当は夢を持ってほしい、と青臭いことは書きたかった。でも、そんなオチはいやだ。


爆弾発言をしよう。オレは『ゲーム脳の恐怖』という本の内容ではなく、タイトルは、あながち間違っていないと思っている。


ゲームばかりやっていると、視野が狭くなる。その恐怖はオレも感じる。


だから夢とか、ちゃらいことは言わない。世の中を俯瞰する人が多い、ゲーム業界であってほしい。


ゲームは社会の中にある。社会の動きから逆算して、個人でいえば発表の場、企業でいえば事業領域を広げられるのだ、と思っています。

と、語ってました。

これでもけっこう頭を使って「永谷園特製、36袋パック for ニンテンドー3DS」や「あそ棒で入ろう生涯設計らくらく安心プラン」なんてネーミングを考えたのですが、M君をはじめとして、お読みくださった方の反応はいたってまじめでした。私もモードを切り替えて、思いをぶつけるようにツイートを連投。そんな夜でした。

空想ニュース。
またやりたいです。

私のTwitterアカウントは@HisakazuH

最近は「ゲーム化」に関係ありそうなことは、#gamefication のハッシュタグをつけています。
皆さんも、よいお知恵があったら、#gamefication をつけてつぶやいてください。

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