Hisakazu Hirabayashi * Official Blogマグニチュード9.0の後、ゲームが社会にできること

マグニチュード9.0の後、ゲームが社会にできること

マグニチュード9.0の後、ゲームが社会にできること
http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=3368

公開されました。

今回の原稿は、すごい緊張感の中で書きました。災害の直後の心境に「愉悦」なんて言葉を使っていいものか。それ以外にも、普通のゲームメディアでは使わない言葉がいっぱい出てきます。文中では、「指が震えています」とありますが、指が固まって動かなくなる瞬間もありました。でも、自分を奮い立たせて書きました。先週末に編集長に予告していたんです。週明けに厄介な内容の原稿入れますって。でも、完成稿をメールで送ったら「これでいきましょう」と即答してくれました。編集長が腹をくくってくれなかったら、掲載できなかったでしょう。

ゲームの話をすると、まあ、書いてある通りです。必要以上の自粛ムードは早くおさまってほしいと思います。それと、ゲーム業界の人はピュアな人が多い。何かできることをしたい、と真剣に思っています。この善意を束ねて伝えたいと思いました。

最後、文章をブチッと切ることも最初から計算していました。いずれ、被災地の地域でも滞りなく電波が飛び、携帯電話を使えば、ソーシャルゲームを遊ぶでしょう。そして、アイテム課金が義援金に使われていることを知るのです。その時に家庭用ゲーム機のメーカー、ソフト会社は、存在感を示すことをしなくていいの? という、言わずもがなの問いかけをしたかったです。

各論ですけど、発売中止になったアイレムソフトウェアエンジニアリングの『絶体絶命都市4』は世に出せないものでしょうか。タイトルが問題? だとしたら『都市を救おう』みたいな平穏な題に変えてもいいじゃないですか。ユーザーも販売店のバイヤーもメディアのレビューアーも文句言わない。そんな信じ合える関係ができていると思うのですが。

「和」について、かなりの分量をさいて書きました。「和」については昔から、よく考えたものです。なんで日本人は「和」を大事にするんだろう。でも、「和」には負の面もあるよなーなんて。なぜなら、私の名前は久「和」だからです。

私の両親は久しく和を大事にする子にしたかったのでしょうね。ですが、私は出版社で働いた頃から、久「和」と決別することにしました。編集者は読者と情報源の中間に立ちます。書き手と印刷所、取材と締切りの中間に立ちます。そんな仕事をやっているのに、「和」。つまり折衷案みたいなことばかりやっていたら、たいした編集者にはなれないことが、わかったのです。取材が大事と判断したら、印刷所の人を睨んで「締切りを伸ばせ」と啖呵を切る。本当に雑誌が白くなりそうになったら、ライターをホテルに閉じ込めて後ろから24時間見張る。「和」だけでは生きていかれないと思ったのですね。

じつは、今回の災害で日本は強くなるという主張は珍しいものではありません。私が読んだかぎり、この記事この記事は印象深いです。でも、邪推かもしれませんが、敗戦・天皇・核を連想しているにもかかわらず、その用語を避けた文章のように読めました。ともあれ、自分はそういうイメージがあったので正直に書きました。

今後、ゲームが被災地に送られ役に立ってほしいわけですが、実現させるためには、必ずや抵抗勢力があらわれます。ゲームは不要不急、ならまだしもゲームは悪と言い出しかねない人が行政府には必ずいるものです。私がある県庁の依頼でゲームについて講演をしようとしたら、その告知を見て、市民が抗議電話。急遽中止になったことがあります。びっくりするような話ですが、ゲームのことを調査している官庁から、ゲームという言葉を使わないでレポートを書いてほしいと依頼されたこともあります。コンピュータ・エンタテインメント産業とか、インターラクティブ・メディアとか。言い換えに苦労したわけですが。でも、ゲームで被災地に喜びを。この趣旨に理解してくれる人が絶対にいると信じたいです。

さっそくメッセージをいただきました。

──とても共感できる記事でした。とくに2つの感情は私自身も思っていたことで「大きな犠牲の上に成り立つ希望で日本が良くなる」そんなことを思って良いのかという罪悪感さえ感じていました。それでも良い方向に向かってほしいと思っています。

──貴稿、読ませていただきました。全くもって同感です。何より私は、本音や真実と遠く離れた既成概念や権力に対するエンタテインメントの力を信じています。勇気を持って望んで頂きたいと思います!

報われた思いがします。ありがとうございました。

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